シリーズ
□needless
6ページ/9ページ
私がマスターの手を握ってマスターが落ち着いた頃、さっき歌を歌っていた女がやってきた。マスターに冷たい目を向けたから殺そうと思ったけど、ここが何処で何なのかが分からないうちは殺すのを諦めた。
戦艦らしいこの船から降りるとそこはさっきと変わらずに紫の空。私は手を握ったまま、マスターに目を向けもしない前を歩く何人かを無視して歩いていた。唯一よくわからない動物だけがマスターの傍にいたけど、その動物、ミュウはマスターに危害を加えるつもりもないし、マスターもソレについて気にしていないので放置していた。
「とことん屑だな!出来損ない!」
いきなりの大声に目を向けると、マスターそっくりな男が立っていた。彼がつらつらと説明するにはマスターがレプリカという人から造られた存在であるということと、あの崩壊がマスターの力によるものだということ。私にすれば同じ見た目で“糸”が繋がっていないあの男の方が偽物に見える。
「う、嘘だ……嘘だ…嘘だ!」
そのままマスターはそっくりな男は斬り合おうとする。否、斬り合っていただろう。私が阻まなければ。
「戦闘システム展開。オート。」
マスターと男の間に入り、システムを展開する。途中ずっと被っていたフードが取れたけど、それより今優先するのはマスターの安全だった。
「なっ…、邪魔だ!どけっ!!」
「防御、拒絶。見えざる壁。何者もこの空間に入ることは許さない。」
「っ!!」
私のスペルはそのまま切り掛かってきた男を弾き飛ばした。
「紫の霧彼の者を覆い尽くせ」
咄嗟にまわりに大量にあった霧を使った。さっきの女たちによると、あれは障気とかいう毒のようなものだったはず…
案の定、男は苦しみだした。止めを刺そうとしたけれど、マスターが倒れ(多分精神疲労だろう)男ももうマスターに剣を向けてはいないので、一応スペルを解除した。。
「マスター…」
倒れたマスターに駆け寄り、そっと抱き締めた。マスターの傍にいた獣も私と同じようにマスターを気遣っている…
「さて、あなたは何者ですか?」
マスターに怪我が無いことを安心していると、赤い目をした男がこちらを怪訝そうに見ていた
***
今回はルーク至上主なのでアッシュには酷い目にあってもらいました(笑)
さてさて次はどうしようかな…
2010/11/06