シリーズ
□夏に見た夢の続き
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あれから、二年がたった…
あの後私は、少しの制限はあるものの、普通の人と同じように暮らしてる。高校は出席日数が足りなくて一年留年したけれど、今は高3として学校に通ってる。
学校での日常は楽しくて、あの先生は絶対カツラだとか、サッカー部の佐藤君が格好いとか、そう言う今までの私なら、絶対話さなかったことを(あんまり多くは無い)友達と笑い合ってみたり、学校帰りにカラオケ行ってみたり………私は何時死ぬんだろうとか、そういうことをほとんど考えない幸せな生活を送ってる
そんな充実した日々を送っていても、ふとした時とか沖田さんの姿を探してしまったりとか、二回くらいされた告白も断ってしまったりとか(沖田さんには負けるけど見た目が好い人だった)、ずっと沖田さんの影を探してる
あの記憶も、夢か私の妄想だったと考えた方が楽で、何度もそう思い込もうとしたけれど…最後に感じた沖田さんの体温とか私を好きだと言ってくれた言葉だとかが、鮮やかなまま残っていて忘れることも、ただの夢と思うことも、出来なかった。
もし例え、全部、夢だったとしても、私が沖田さんを好きだって思ったのは本当のことだって思いたかった
普段は親に送ってもらう通学だけど、今日は親に外せない用事があったから電車だ。朝のラッシュの人混みはかなり体力を使う…毎朝電車通学とか通勤とかしてるひとは真面目に尊敬する…
「わっ!」
そんなことを考えながら電車に乗ろうとしていた私は、急に腕をとられてホームに戻された。
掴まれた腕に感じたのは、今あり得るはずがない懐かしい体温で…
「やっと、見つけた…」
聞こえたのは、最後に聞いたものよりも元気そうな声…
振り返れば和服じゃなくて、普通の服を着た沖田さんが不安げな顔で笑っていた
夏に見た夢の続き
(逢いたかった)(愛しかった)
***
できたー!だいたい一年越し…。なんか某動画サイトで薫の最後みたらかける気がした。一応王道な再会をさせてみました。
2011/02/22