非夢
□保護
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「ねぇアーウィン、フレディも、聞きたいことがあるの…。」
村へ行く準備中、レナが不安げに瞳を揺らしてオレたちに話し掛けた。
「どうしたんですか?」
「どうしたのねえちゃん?」
不安そうなレナにオレは優しく微笑んだ。隣の気配からにいちゃんも同じように微笑んでいることがわかった。
「私って村に“保護”されるのよね?」
「うん、そうだよ」
レナは言わば生まれたての央魔だし、村に保護されて監視される代わりにある程度の安全と自由が約束される…、これは何度も話したから分かってると思うけど…
「もしかして、村での生活が不安なの?気の良い人ばっかりだし、オレも出来る限りフォローするから大丈夫だよ」
「そうじゃなくて…」
レナの身体はふるふる震えていた。
「央魔って貴重なんでしょ?もしかしたら村に行って人体実験とか…あれ?この場合人体じゃなくて冥体なのかな?血を抜くために定期的に注射されるとか、生体を調べるために解剖されるとかあるんでしょう!!アーウィン!?」
レナはかなり興奮してオレを揺すっている…これはどうすればいいんだろう?取り敢えず否定しておけばいいかな…?
「いや、な「さぁ、どうでしょうか?」ってにいちゃん!?」
オレが否定しようとすると途中でアーウィンが割り込んできて、わざと不安を煽るように言った。
…なんか楽しそうだし
「あぁ!やっぱりそうなんだわ!私は血を抜かれてミイラみたいになるのね!」
って、考える場合じゃなかった!レナが発狂しそうだし、てか発狂したらオレが一番危ない気がする…
「大丈夫だって、ねえちゃん。村はそんなトコじゃないし、もしそうでもオレがねえちゃんにそんな事させないよ」
「本当?」
「本当だよ、オレが護るから。だから大丈夫だって。」
「フレディ…」
一応落ち着いたレナを宥めようとしたら、この騒ぎの原因がまた口を開いた。
「だが、見えない部分なら護れないだろう。」
「キャーー!」
「ちょ、にいちゃんいい加減にしろーー!!」
また騒ぎだしたレナと楽しそうに薄く笑みを浮かべるアーウィン。そしてオレの叫びが、静かな家を満たしていった…
***
ギャグが書きたかっただけ。
おもな原因:レナの偏った知識、アーウィンのドSっぷり