非夢
□雪
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「フレディ、フレディ!起きて」
扉の開く音と、心地よい少女のソプラノの声で目が覚めたオレは無意識に侵入者を警戒しって……アレ?
「…ねえちゃん?」
「おはよう、フレディ」
もしかして…って思って少し寝ぼけながらも、声をかけると予想通り、ふわふわとした笑顔と一緒に楽しげなレナの声が聞こえた。
「…ねえちゃん、オレとはいえ男の部屋に勝手に入っちゃ駄目だよ。」
「ごめんなさい。」
目を開けてすぐに注意すると、レナはシュンと小さくなった。
…なんか冥使とか央魔っていうよりウサギとかハムスターみたいな小動物っぽいな、特に動作が。
ある意味レナにとっては不本意なことを思いつつ、オレは何故レナが此処にいるのか尋ねた。
「それでこんなに朝早くに、どうしたの?」
「あっ、えっとね、外見て!」
キラキラと目を輝かせているレナに言われるままにカーテンを開けると、強い光に一瞬視界を奪われた。
「雪?」
「そう、雪!朝起きたらいっぱい積もってたの!」
「あー、最近寒かったもんね。」
そういってレナの顔を見ると、彼女の顔は何かを期待していて、それでも何かを不安に思っていた。
「ねえちゃん?」
「えっとね、私雪で遊んだことあんまりなくて、フレディと遊びたいなって思って…駄目かな?」
こてん、と小首を傾げる動作はやっぱり小動物にしか見えなくて、思わず吹き出してしまった。
「フレディ?」
レナの表情から何が何だか分からないという心境が見えて、また吹き出しそうになったけどなんとか抑えて、最初のお願いの答えを言った。
「いいよ。」
「えっ?」
「オレは着替えたら行くから、ねえちゃんはにいちゃんに手袋貰ってきた方がいいよ。」
「うん!」
そういって駆けていくレナに転ばないようにねーっと声をかけて、オレも外にでる準備をした。
***
何こいつらかわいいがイメージ。レナは雪遊びあんまりしてなさそうだ。