非夢
□求めたアカ
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※アーウィンEND後
「レナ、食事ですよ」
「はーい」
アーウィンが持ってきたのは、見慣れた深紅の液体。
最初は嫌悪感しか感じなかった血を飲むことも、回数を重ねる度に何も感じなくなった。生きるために必要だから、
…私は生きているから、進まなきゃいけないから。
それでも、人間だった私には血を飲むことは完全に自分が人間じゃないと認める見たいで…、それにリズやマシューやお母さん、…それにフレディのことを思い出して、何度もやめたくなった。だけどその度にアーウィンが私を宥めた。
アーウィンはあの時言ったように先生として、私に冥使の、央魔の生きる術を教えてくれてる。
「ねぇ、アーウィン」
「どうしかましたか?」
食事の後、私はアーウィンに少し気になっていたことを尋ねた。
「あのね、血の美味しさって人によって違うの?」
「……央魔でも無いかぎり、あまり変わりは無いように思いますが」
「そっか…。」
一瞬悩む様に間を開けたアーウィンだけど、すぐに私の質問に答えた。その答えは私が期待していたものと少し違っていたけれど。
「どうしてそんな事を?」
「あの時のフレディの血が、凄く美味しかったから。」
アーウィンの問いに私は素直に答えた。あの時口にしたフレディの血はどんなものよりも甘美で私を満たした、甘くて、愛し…
「レナ」
ふと我に帰ると、アーウィンが小さくため息をついて私の頭を撫でていた。
「今日はもう寝なさい」
「はーい」
まだ寝たくないとか不満はあったけど、眠いって思ってたのも事実で、横になるとすぐに眠気が襲ってきて、扉の外でアーウィンが何かを呟いた気がしたけど、私は睡魔に身を委ねた。
「血肉は骨を求め、骨は血肉を求める、か…」
レナの部屋の外で、血が覚えていると言った彼に似た少年を思い出しながら、私はそう小さく呟いた。
***
どうして甘いの書きたかったのにこうなったし