詩 其の壱
□ガラスの器
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空になり割れてしまったのなら
それはそれで構わないから
その欠片を拾い集めて
燃え溶かせば元に戻んないのかな
またきれいな水で満ちればいい
あの頃のように甘くなくても
味わったことないくらい苦くてもいい
あなたと歩ける明日があるのなら
ただそれだけでよかったのに
粉々になってしまったのなら
もう元には戻らないのなら
その欠片を拾い集めて
燃え溶かせば何とかなんないのかな
空になり割れたガラスの器
胸の奥にしまうのならば
その欠片があなたを傷つけるだろう
もう傷つかないで 冷えた心は
きっと誰かが暖めるから
傷ついて震える冷たい心
暖める手は持たないけれど
傷跡そっと撫でながら
抱き締めれば少しは癒えるのかな