詩 其の壱
□もう少し
1ページ/1ページ
どれくらい傍にいただろう
考えることは多分無駄
過ぎてゆくこの一秒も
腕時計の示す時刻も
あたしにとっては全て無意味で
離れぬ言い訳無理に紡いで
時計を気にするあなたを睨んだ
決して永久じゃないのは知ってる
だけどお願い 終わらせないで
荒れた手の中で
あなたの微笑み見つめながら
乾いた手のひら感じてた
過ぎた時間なんて知らない
まだこのままで もう少し
どんなことを話しただろう
考えることも多分無駄
意味があるのはこの一瞬を
あなたの傍で過ごせたこと
あたしにとってはそれが全てで
離れぬ言い訳無理に紡いで
去ろうとするその腕を掴んだ
このまま終わってしまうのは嫌
だからお願い まだ行かないで
赤い頬寄せて
人気無い廊下見つめながら
カサつく肌を感じてた
時計の時刻なんて知らない
まだこのままで もう少し
柔いくちびるで
困りながらも笑うあなたの
頬に不意の口付け落とした
残された時間のないのは知ってる
だけどお願い もう少し
あと少しだけ 傍にいさせて