オリジナル小説

□夢捕獲者 番外編 ヘヴンの名前
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    【夢捕獲者4ページまでを読まないとネタバレ注意】


      ―ヘヴンの名前―


「えー?ヘヴンって名前じゃないのー?」
珠有が言う。
「誰がヘヴンじゃぁ!!俺は!白狐だっつーの!」
白狐がそれに負けずと言い返す。
「じゃぁ誰が、ヘヴンって名づけたの??」
「…。お前なぁ…自分がやったことくらい覚えておけよ!!」
ついに白狐は切れた。
「え…?私そんな名前にしたことな…」
「いーか!よく聞け!!あれは3ヶ月前…」

「俺も俺で昔の記憶はねぇ。つまり、記憶喪失だった。そこに、珠有がやってきて、拾われたんだ。」
「あぁ…確かそうだったね。」
「それで、家に連れてかれた。」
話す白狐に冷や汗がでてきた。

   回想
「きぃ…?(あれ?)」
「あ、目覚めたんだね!」
「きぃー…(ここどこだよ)」
「ここね、私の家なのー。道端で、私がトカゲと間違えてあなたを踏んじゃったの…。」
「きぃ!?(トカゲと間違えるって…)きぃぃぃぃ。(しかもトカゲを踏んでどうしようとしてたんだよ…。)」
「でも、もう大丈夫だよ。薬飲んだし、傷も治したし。」
「きぃ…(あぁ…なら…いい…か!?)」
珠有の後ろにあった、俺が見たのは、蛙だった。
そして、床には真っ赤な血…よく見て見たら、珠有の白い服にも赤い血はついているではないか!
お、俺は何を飲まされたのだろうか…急に恐怖心が芽生え始めた。
「きぃ!(痛っ)」
足に痛みを感じて見ると、俺の足に包帯が巻いてあった。
「あれ?痛いの?足、骨折してるかもしれないから、包帯巻いといたよ。」
骨・折!!
俺は骨折に驚いているんじゃない。
骨折した足に、包帯をきつく巻いてあるのだ。
(血が…止まるッッ!!)
俺は逃げようとした。が、変な物を飲まされ、骨折した足にぎゅっと縛られた包帯で、動けなかった。
絶対殺される!!
俺はどうなっちまうんだ。
向こうに殺意がなくても、絶対死ぬ!!
あぁ。神よー俺を…助けてくれ!!
何故俺が今こんな目にあってるんだよ…
あぁ…めまいが…。。。
ぼやけてきた…
あははは…てめぇ覚えとけよこの小娘が…

   パチン!!
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