OSOMATSUSAN

□若葉の小さな恋の話。
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若葉の小さな恋の話。






十四松は昔からチョロ松になついていた、兄弟しかも6つ子だからそうなのは不思議な事ではない。


チョロ松も自分になつく十四松を可愛い弟と思い世話も嫌がらなかった。


「あーもう、十四松また魚を丸かじりしてる!」
「だって骨取るのめんどくさいもん」
「ほら、魚の骨取ってあげるから貸してごらん」


魚の骨を取ってあげているチョロ松に長男のおそ松がやきもち焼いているらしく文句を言う。


「チョロ松、十四松はもう大人だぞ?自分で魚の骨取らせろよ」
「十四松は魚を丸かじりして食べるから喉に詰まっちゃうの!ほら十四松口開けな」
「はーい!モグモグうまー!」


チョロ松に食べさせてもらい嬉しそうにモグモグと食べる十四松、それを見てトド松がからかうように言いカラ松も嬉しそうに見ている。


「なんかどっちが末っ子かわからないね〜」
「ははは、仲が良き事はいいじゃないか」
「俺はさっきチョロ松兄さんに魚の骨取ってもらった…」
「えー!一松兄さんズルい!ねぇチョロ松兄さんボクも魚の骨取って〜」
「はいはい」


一松の言葉にトド松も甘えるのでチョロ松は仕方なく魚の骨を取ってあげた。


「あれ?なんで?なんかやだなぁ〜」


十四松は胸の奥がチクチクしてなんだか取られたくないという気持ちになりチョロ松に抱きつく。


「ねーねー!チョロ松兄さん野球やろ!野球!」
「十四松どうしたの?野球は後で先にご飯食べよう」
「うん」
「ほら、十四松お味噌汁こぼれてる!火傷しなかったか?」
「うん」


心配してチョロ松がタオルで十四松の服を拭いた、そんな仕草も十四松の目を出した恋心を擽る。


「シミになっちゃうから着替えよ」
「うん」


十四松は五男で下には末っ子のトド松がいるが十四松はトド松より考え方が幼くチョロ松にもべったりだった。


チョロ松もそれがほっとけなくてついつい甘やかしてしまう、弟の一松もトド松も十四松と同じくチョロ松になついていた。


長兄の二人がどうしようもなく子供時代からずっとチョロ松が下3人の世話をしていたのもあるが何かあると話を聞いてあげ膝枕をし慰めるのもその一つ。


一松もトド松も十四松ほどではなく最近は十四松がチョロ松を一人占めしていた、おそ松は少し不機嫌になったがチョロ松だから仕方ないと諦める。


 
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