OSOMATSUSAN

□忘レラレナイ記憶
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忘レラレナイ記憶





今日も事件が立て続けありさすがのチョロ松警部も疲れ食欲はないが食べておこうと食堂に来た、チョロ松警部は軽めのかけうどんを注文しテーブルへと歩く。


「チョロ松警部こっちで一緒に食べませんか?」
「十四松くん」


声をかけたのは鑑識官の十四松、チョロ松警部とはまだ彼が巡査の頃からの付き合いで彼の過去を唯一知っている人物。


「あれ?チョロ警松部それだけ?」
「あぁ」
「ダメだよ、もっと食べないと身体もたないっスよ」
「あまり食欲がないんだよ…って十四松くんはよく食べるね」


隣では十四松鑑識官がミックスフライ定食に煮魚に山盛りご飯を食べているのを見てチョロ松警部は驚く。


「死体見て食欲なくすようじゃ鑑識なんて出来ませんよ」
「ははは…言えてる」
「今日の事件があの事件とダブってな…正直今回は一松警部に頼もうと思った」
「あぁ、あの忌々しい事件ですね」


チョロ松警部が言った事件とはまだチョロ松警部が新米刑事だった頃に近所で起きた無差別殺人事件、その被害者にはチョロ松警部の婚約者もその家族も含まれていた。


自分が早く駆けつけていれば防げたといまだに彼の中に深い傷を残した、周りも遺族もチョロ松警部を責める事はないが警部になった今も似た事件があればフラッシュバックして苦しむ。

「亡くなったのはまだ若い女性で彼女のお腹には彼の子供がいたんだ、犯人は捕まえたけど残された彼の事を考えるとね…」
「チョロ松警部」
「なに?」


十四松鑑識官は真剣な顔でチョロ松警部を見つめ言った。


「俺チョロ松警部の死体だけは見たくないですから」
「十四松く…」
「仕事柄安全とは言えないけど…俺がチョロ松警部守ります」
「………」
「チョロ松警部が愛した人みたいに俺はいなくなったりしません約束します!」


チョロ松警部は十四松鑑識官の言葉に胸にあった傷が少し小さくなった気がして涙が溢れる。


「うん、ありがとう」
「食べさせてあげますから口開けてください」
「君のがなくなるから良いって…」
「この後予定ないなら付き合ってくださいね」
「はいはい」


半ば呆れながらも十四松鑑識官から食べさせてもらいその後は彼の部屋に行き朝まで付き合った。



きっと記憶は消えないけど彼が側にいるのなら乗り越えられると信じることにしたチョロ松警部。





次の日屋上で見た空は青く見えた。



忘ラレナイ記憶
(辛くても頑張るから…)




なんかもうすみませんの一言です。

ちなみに亡くなった婚約者はモブです、トト子でもにゃーでもありません。

※9/19 一部呼び方などを修正。

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