KANKORE

□*LOVE×FIGHT
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長門は先程から陸奥と金剛の醜い争いを背後で耳にし呆れた顔で溜め息を吐く。

兄として陸奥を応援したいが自分も観海に想いを募らせているので素直に応援で出来なかった。


「仲良くご飯食べましようよ〜」
「えぇ、せっかく提督が誘って下さったんだもの美味しくご飯食べましょうね」
「提督の顔を見ながらディナーなんてラッキーなことありマセーン!」


観海の一声で陸奥と金剛はおとなしくなる。


結局長門に邪魔され観海と二人きりのディナーデートは叶わなかった。





翌日―




相も変わらず朝から指令室に乗り込んできた金剛。


観海は書類を済ませソファて昼寝中だった。


「プリティーなスリピーングフェイスですね〜ではプリンスのキスで起こしてあげマース!」


寝ている観海に顔を近付けた瞬間お盆が金剛の頭に当たる。


「グハッ!俺のバーニングラーブを邪魔するのは一体誰デースカ!?」
「金剛さん、今日出撃では?」
「俺のマイブラザーの比叡に変わって貰いマシタ!ブラザー達は素直で陸奥のブラザーとは違いマース」
「つまりサボりって事ですよね?提督に報告します」

起こそうとしたら観海は目を覚ましていたらしく口を開いた。


「金剛ちゃんの紅茶飲みたいです」
「紅茶デスネ!今デリシャスなのを淹れてきマース!」


目をキラキラさせながら部屋を出る金剛。


それを見た陸奥は呆れたように苦笑した。


「金剛って単純ですね、全く呆れた男です」
「金剛ちゃんの紅茶美味しいですよ〜」
「提督は素直ですね」
「よく言われます、あっそうだ本部から赤いお芋さん送ってもらいましょう」


観海は受話器を手に取り電話をかけ始める。


「もしもし〜お芋さん送ってくださぁい。え?あっはい、今日は栗ご飯と小さくてひょろ長い魚えーと柳葉魚さんあと蜊のお味噌汁食べました。お芋さんは赤いお芋さんです」


上機嫌で電話を切り受話器を置く観海に陸奥が尋ねた。


「提督、今何処にかけたんですか?」
「どこって…本部にいるじいちゃん提督ですよ〜」
「本部にって…本部にそんな電話しちゃ駄目でしょ!」
「じいちゃん提督たくさん送ってくれるそうなので鎮守府のみんなと食べれちゃいますね」


その時ドアが荒々しく開く。


「芋か…芋なら焼き芋とか胸が熱いな」
「長門、何納得してるの?本部の元帥に芋送ってて提督お願いしちゃったんだよ?提督だから良いけど他の人達だったら厳罰ものだからね」


 
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