稲高フリ部!

□初めまして変な奴
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「…あっぢー…」

やっと受かった高校の登校は4月のくせにやけに暑かった。

「くっそー…こんな坂あるなんてしらねーよ」

「だよね、疲れちゃうよね」

「そうだな…」

「僕もう疲れちゃったよー」

「って誰だお前!?」

「僕?」

「お前だよお前!他に誰が居るってんだ!」

「僕はお茶目なハッピーボーイの牧野でっす」

「…牧野?」

「そう!今年から高校1年生なんだ、よろしく!」

「はあ?!」

「だって君も高校に入ったんでしょ?今日入学式のところ多いもんね〜」

「…まぁな」

「名前なんていうの?」

「何でお前に教えなきゃいけないんだ」

「なんでー!友達なのに名前知らないって変だよ!」

「いつ友達になったいつ!!」

「え、今」

「会って2分弱じゃ友達とは言わん!
じゃあな!」

「またね〜」

「もう会わねえよ!!」

―――――

「よーっす、今日からお前らの担任になりまーす。名前は三木だ。覚えとけよー」

「(…女の担任か)」

「皆知らん奴ばっかりだと思うから適当に自己紹介してくれ。
好きなことと得意な。
じゃ、お前」

「オレ!?」

「お前やお前。幸薄そうなお前」

「…真田、真田森部です。好きなことは音楽鑑賞で得意なことは特に無いです」

「何だつまんない自己紹介だな、次、お前!」

「(なんなんだよこの担任は…)」

「はいはーい!」

「な…」

「僕、牧野ユウです!好きなことは猫カフェ巡りで得意なことは寿限無を全部言えることです!」

「(何で!?アイツがここに!?)」

「では早速!寿限無寿限無五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末…」

「あーはいはい、もういいから」

「えー!」

「他に人居るんだから」

「はーい」

―――――

「(神様仏様、お願いします。この休み時間中にアイツが話しかけてきませんように、いかにも友達かのように接してきませんように…!!)」

「何念じてるのー?」

「ゲッ!」

「また会ったね!これは運命だよ」

「お前と運命を共にしても嬉しくないんだがな…」

「ひどいよ!」

「…ホントにここ受かったのか?この高校それなりに難しいはずだけど」

「うん!受かったよ〜」

「…何位で?」

「え?三位」

「(負けた…!こんな奴に負けた…!←四七位)」

「難しかったよ〜だって僕数学とか苦手なんだもん」

「あーもー分かったから離れてくれ」

「嫌だよ、友達だもの!」

「友達じゃねぇって!」

「なーんーでー!」

「あーもう!」

「あっ!待ってよ!」

…何なんだよコイツ、ベタベタくっついてきやがって。
ってか今日のオレ逃げてばっか…

―――――

「ちゃおサナ。元気してる?」

「あ、浅井」

「あ、ってなんだよ」

「お前もこの学校だったんだ」

「まぁね、ま、オレは滑り止めだったんだけど」

「嫌味なら間に合ってる」

「あーそうかよ。
ってかさ、さっき変なのと居たけどあいつ誰?」

「あぁ、同じクラスの牧野」

「ふーん」

「僕のことかな!」

「うわ!どこからわいた!」

「Σ人を虫みたいに言わないで!」

「サナ、こいつ?」

「そうだ」

「あれ?もんぺのお友達?」

「もんぺ!?」

「森部だからもんぺ!」

「「も」しか合ってねえじゃねえか!」

「何だ。仲いいじゃん」

「良くねえっ」

「オレ浅井曜史だ。よろしくな」

「僕は牧野ユウ!好きなものは猫で得意は寿限無を全部言えることです!
こちらこそよろしく!」

「…っていうかお前何の用だよ」

「あっ、そうそう!」
えーっとどれだっけ…。
あ、あった!はい!」

「…勧誘?」

「うん」

「何の?」

「みんなに入ってもらいたくて!僕の作った部活に!」

「作った!?部活を!?」

「そう!その名もフリーダム部!」

「フリーダム部?」

「いい質問だよヨンヨン!」

「(曜史はヨンヨンかよ…)」

「とにかくなんでもフリーダム!いつ来てもいいし、何したってOK!そんな部活なんだ!」

「ふーん…」

「浅井入る気か?」

「あぁ、自由なら入ってもいいかなーって」

「正気か!?」

「別にいいだろ?いつ行ったっていいならさ」

「…でも…」

「ご心配なく!この牧野、もんぺの分まで入部届けだしてきました!」

「てめええええ!
敬礼してんじゃねえ!何勝手にやってくれてんだよ!」

「うにゃああ!く、首!締めっ…、締めちゃダメ…!死ぬぅう!」

「ったく…」

「いつでも来ていいからね!因みに今日から部活は始まるんだ!」

「今日から!?」

「うん!部室は生徒会室だよ!」

「そんないいとこ貰ったのか!?」

「三木先生に頼んだら「まーいいんじゃない?」って言われた」

「(ナイス三木―…!)」

「授業終わったら来てね!僕待ってるから!」

「あ!ちょ待っ…!」

「…行ったな」

「あぁ…」

「どうするんだ?」

「行くしかないだろ、オレ行かないとアイツ泣きそうだし」

「お前って…何気いい奴だよな」

「バーカ、んなわけねーよ」

=====
あとがき

長い、無駄に長い。
これからキャラがどんどん増えていくのでよろしくおねがいします。
そしてフリーダム部もよろしくおねがいします。

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