虹
□笑う君が綺麗だから。3
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春休み。
休みの日や午前の部活の後、この神社で日吉を待つことが日課になってしまった。
「…おせぇ。」
例の如く約束なんてしていない。しかし前来たとき今日は来ると言っていた。
時間は聞いていないがいつも昼前には必ず来る。
現在の時刻は1時24分。
「おせぇよばぁかー。」
「誰が馬鹿ですか。」
「ぅおあ!?」
いつの間にか目の前には待ち望んでいた日吉が。
「て、てめぇ!ビビらすんじゃねえよ!」
「びびったんですか。情けないですね。」
ふんと鼻で笑う憎らしい男。いろいろ言いたいことはあるが、日吉は俺より猫たちに目を向ける。
「おいで。ご飯だ。」
毎回思う。
この扱いの違いはなんだ。
確かに、あの日吉にいきなり「いいこだねーよしよし」なんてされても気持ち悪い。つうか怖い。
でももう少しあるだろ。ほら。先輩に対してっていうかよー。何で俺は猫以下な扱いされなきゃなんねえんだ。
「ぶつぶつ何言ってるんですか。気味悪い。こいつらが怖がってますから止めてください。」
「それだよ、それ!」
「はあ?」
「先輩に向かって気味悪いってなんだよ!もっとオブラートに包め。」
「…ぶつぶつ何言ってるんですか。気味が悪い。こいつらが怖がってますから止めてください。」
「がって付け足しただけじゃねえか!オブラートの意味分かってねえだろ!」
「分かってます。ボンタンアメを包むやつでしょう?」
「そういうことじゃねえ!!」
完璧に馬鹿にしてやがる。後輩に口喧嘩で勝てないなんて。いや、普通に殴り合いの喧嘩しても負ける。こいつには。
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