□笑う君が綺麗だから。3
1ページ/4ページ



春休み。


休みの日や午前の部活の後、この神社で日吉を待つことが日課になってしまった。




「…おせぇ。」


例の如く約束なんてしていない。しかし前来たとき今日は来ると言っていた。
時間は聞いていないがいつも昼前には必ず来る。


現在の時刻は1時24分。






「おせぇよばぁかー。」

「誰が馬鹿ですか。」

「ぅおあ!?」


いつの間にか目の前には待ち望んでいた日吉が。


「て、てめぇ!ビビらすんじゃねえよ!」

「びびったんですか。情けないですね。」


ふんと鼻で笑う憎らしい男。いろいろ言いたいことはあるが、日吉は俺より猫たちに目を向ける。


「おいで。ご飯だ。」




毎回思う。


この扱いの違いはなんだ。
確かに、あの日吉にいきなり「いいこだねーよしよし」なんてされても気持ち悪い。つうか怖い。
でももう少しあるだろ。ほら。先輩に対してっていうかよー。何で俺は猫以下な扱いされなきゃなんねえんだ。




「ぶつぶつ何言ってるんですか。気味悪い。こいつらが怖がってますから止めてください。」

「それだよ、それ!」

「はあ?」

「先輩に向かって気味悪いってなんだよ!もっとオブラートに包め。」

「…ぶつぶつ何言ってるんですか。気味が悪い。こいつらが怖がってますから止めてください。」

「がって付け足しただけじゃねえか!オブラートの意味分かってねえだろ!」

「分かってます。ボンタンアメを包むやつでしょう?」

「そういうことじゃねえ!!」


完璧に馬鹿にしてやがる。後輩に口喧嘩で勝てないなんて。いや、普通に殴り合いの喧嘩しても負ける。こいつには。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ