赤い狂気と紫の菊。

□蓮沢瑞樹という女
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朝の光の眩しさに、私は目が覚める。周りを見渡すと、そこら中に赤い壁。
保健室の消毒液の独特しい臭い。


「あぁ、そうか。ここは、保健室か」


弱っていた嗅覚で認識する。
グラリ、と視界が歪んで倒れそうなのを気力で堪えた。
ベッドから起き上がり、床に足をおく。

ビチャ

と、不思議な効果音が耳に入る。


「……………血?」


鉄の臭いと液体でも固体でもない赤色の物質。
横目でそれを見て、何事もないように歩く。

足に何かがあたって、それが人間の腕だとわかった。
よく見れば、指や足、内蔵のようなものまで不様に転がっていた。
けど、首から上のパーツはない。

ざっと見ただけでも、数人の死骸。


「……あぁ、まただ」


ウザそうに固体を蹴って、服が汚れているのに気づく。
白い制服に赤い斑点模様。白いシューズは、赤く染まっていた。


「うわ……前、新品にしたばかりなのに……最悪だ」


汗と血で、ベットリと体についている隙間に空気を送り込むため、ハタハタと服を動かす。


「気持ち悪い。さっさと出よう」


また、足元にある物体を蹴った。
力強くやりすぎて、壁にグシャリとぶつかってドロリと赤い血が白い壁に流れた。





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