☆山獄11お題

□不完全な人々
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空は雲ひとつなく、清々しいくらいに晴れ渡っていて。


この広い青空のもと、いつものように10代目と野球バカの3人で他愛もない話をしながら昼食をとっていた。

食後の一服にタバコをふかしてたら10代目が、担任に呼ばれてたのを忘れてたとおっしゃられて職員室へと行ってしまい、オレは山本と残されなんだか気まずい…。





10代目にはまだ報告してないけれど、オレと山本はつい最近付き合い始めたばかりだ。
手を繋いだこともなければキスなんて恥ずかしくて死んじまう!って感じなのだけども、山本はオレのことをどういうふうに思ってるんだろう…


山本は、いつだってバカみたいに元気で、明るくて、笑顔で、素直で、優しくて、野球部のエースだとかで女子達にも人気で、オレとは全くもって正反対な能天気なバカで。

自分で言うのもなんだが、正直オレなんかとは正反対で不釣り合いで、コイツは何を血迷ったんだろうとか時々思うけれど、それでも今更手放せない存在になってて…。





「……ら……獄寺!」


名前を呼ばれ、目の前で手をふられて、山本が隣にいたことを思い出した。
更にタバコのことも忘れてて、気付けば今にも灰が落ちそうだった。


「急に黙り込むから。どうかした?」
「…なんでもねぇ…」


携帯灰皿にタバコを押し付けて、購買で買ったパックのオレンジジュースをすする。(口内炎ができたと言ったら10代目がオレンジジュースがいいってすすめてくれたから買ったやつだ)


「…ゴクデラってさ、頭いーけど運動あんまダメじゃん?」
「…は??」


突然何を言い出すかと思えば、相変わらず突拍子もないことで。
フェンスに背中を預けながら、山本は笑顔でそう言った。
っつーかオレが運動ダメってどーいうことだ!?


「いきなり何訳分かんねぇこと言って…」
「で、オレは頭ワリーけど運動ってかスポーツ?は得意じゃん?」


言った言葉の意味を問いただそうと思ったのに、コイツは話を一人で進めていく。
何を言いたいのかオレにはわからなかったのだけど。


「俺達って二人一緒だったら完璧じゃね?」


大きな瞳を今は細くして、いつもの笑顔で自信満々にそう言った山本にドキッとした。

きっと山本は、深い意味など考えずに言ったんだろうけど。
裏を返せば立派なプロポーズじゃねぇかと、一人顔を赤くした。






一人一人は不完全だけど、二人でいればどんな可能性も見いだせる。

お前といれば、何だって乗り越えていける。


だからずっと、側にいよう?





end


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山獄11お題第4段…

全く正反対の二人なら1+1=1になるんじゃないかな、ってそんなお話^^

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