オリジナル小説兼ネタ置場

□12時戦争
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あと1分。あと1分で、今日もまた私のお昼をかけての闘いが始まる。

「はい、では今日はここまでです。ここ、中間に出しますからよく勉強しておくように」

担任の島原先生は穏やかでかなり優しい数学の先生。生徒や他の教師からの信頼はかなり高い。
そんな温厚な人柄を良いことに私はいつも数学の時間は寝てることが多い。昼休み前の数学は正直きついです。というか、数学なんて将来役に立つのか?
授業の内容はさておき、昼休み直前のこの時間が私にとってはとても緊張する時間。時計の秒針が12のとこへきたら…

キーンコーンカーンコーン

出撃!!
「では、昼休み…って、相変わらず高田さん速いですね〜。授業もあんな感じで挑んでくれると有難いんだけどなぁ」

「もう、悠ったら」



「おばちゃん、いつものやつ!」

「お、きたね。はい、いつものね」

「ありがとう!!」

今日も無事、戦利品ゲット。私の愛しいチョココロネ! これが私のいつもの昼休み。パン売場は無くなり次第終了の早い者勝ち。パンを買う生徒は結構いるので、チャイムの直後にはもう人だかりが出来てしまう。もたもたしてるとチョココロネが無くなっちゃうんだから。

「2個で120円ね」

「はいはい、120…あれ」

「どうしたの」

「10円、足らない」

「あちゃー…」

こ、この私が…いちばんやってはいけない失態を!! God is deadだよっ←(笑)


「おばちゃん、チョココロネちょうだい」

他の生徒が次々とパンを買っていくなか、チョココロネも例外ではなく売れていった。全身から力が一気に抜ける。私はチョココロネが売れていくのを見ながら、教室へ引き返す。いちばん張りきっていた私が買えなかったとか、かなり恥ずかしい。天国から地獄へ落とされるとは正にこの事か…。


「何してん、お前?」

声を掛けられ振り向くとそこには一人の男子がいた。

「楸くん」

彼は七瀬楸(しゅう)。私の幼馴染みである。クラスが違うこともあり、私達が話す機会は激減した。ていうか、楸君自身あまり人と話さないからな…。

「あ、うん…。その、パンを買おうとしたらお金足らなくて」

あぁ、恥ずかしい。

「ん、これやるよ」

「え、これ」

差し出されたのはなんとチョココロネ。ドユコト?

「買ったのはいいけど、なんか食べれそうにもない気がしてな。やるよ」

「でも、これは」

「捨てるより欲しいやつにあげたほうがエコだろうが。…いらないか?」

「ぜひ、お恵みを」

「…パンで女捨てんなよ。じゃあな」

……。確かに、パンで女捨てかけてたかも。いや、もう捨ててたか。でも好きなものは好きなんだからしょうがない。
あれ、でもなんで楸君は私がチョココロネが好きなの知ってるのかな。言った訳でもないし。
まぁ、いっか。チョココロネゲット出来たし。文句なしだよ。教室へ戻って至福の時を噛み締めよう。本日も異常なし。





アンスールって、本当は獣人とかも出てくるんです。でも、この二人のやり取りも好きだよっていう。
爆発しろww

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