一生懸命
□第七旋風!
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『あの・・・、跡部先輩』
「アーン?なんだ」
『実は・・・、お願いが』
おねだりキャラではない桜からまさかのお願いをされる跡部
ここは、氷帝学園男子テニス部テニスコート
今は部活時間の所謂休憩という時間帯で、レギュラーは勿論、部員達も息を整えている
桜は、跡部にスポドリを渡す時にお願いのチャンスを図ったのだった
『実は・・・、お金を貸していただけませんか?』
申し訳なさそうに切り出す桜
彼女にしてはなんとも珍しい願いで、予想していなかった跡部もやや固まり気味だ
「なんで金を・・・?」
『実は、眼鏡が少し割れてしまって・・・見えにくいんです。バイト代はまだでないんで・・・』
「バイト・・・?」
『学校に許可とってやってるんです。生活費が・・・ってそうじゃなくて』
話がずれそうなのを即座に戻す桜
彼女からして、切実なのだ
「ちょっと見せてみろ」
『あ、はい』
そうして眼鏡を取る桜
跡部といえば眼鏡に夢中で、彼女の素顔には気付いていないようだ
本人は眼鏡の心配しかしていない
「跡部、桜ちゃんの眼鏡取り上げてなにしてるんや・・・!」
『ああ、眼鏡を見てもらっていて・・・(声からして、忍足先輩だよね)』
見えてはいないものの、声で人物を判断する桜
忍足といえば、その素顔が見えてしまったようだ
「な・・・、桜ちゃんか?ホンマに!?///」
『え?はい』
「なに言ってんだテメーは」
忍足の視線の先には、美人な女の子
「コンタクトにしたらええやん・・・」
『高いじゃないですか』
「まあコンタクトの方が便利・・・!!!!?誰だお前は!!」
『はい?』
「ほらアホ部も言うたで」
さっきの跡部の発言に少し根に持っていた忍足だった