キリリク・記念

□シスコン☆ブラコン《完結》
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麗らかな春の午後、暖かい陽気に街中も人で賑わっていた。

「う〜ん、やっぱり春は気持ちいいなぁ」

その中を地元のプラント高校の制服を着た一人の少女。

入学したばかりなのか、着ているブレザーやスカートには皺一つなく、その顔にはまだあどけなさが残っていた。



「…ん?」

上機嫌で歩いていた少女の目の前を数枚の花びらが通り過ぎていき、辿った先━━小さな公園には一本の大きな桜の木が立っていた。

「わあっ!桜だぁ」

薄紅色の花びらはヒラヒラと舞い、その場だけ神秘的な空間を作り出していた。

「すご〜い!綺麗、綺麗!」

その光景が気に入ったのか、少女は桜の木の下で舞い散る花びらと共にくるくると回りだした。


「あぁ〜っ!駄目だキラ。そんなに動いたらスカートがぁーっ?!」

そんな彼女が学校を出てからずっと後を付け回す影が一つ……いや

「…おいおいιなぁアスラン、いくら兄妹でもこれは犯罪だぞ」

「そうだ!プライバシーの侵害だぞ!」

「シッ!静かにしろ、キラに気づかれる」

「あっ!公園を出ますよ」

合計四人の謎の美麗ストーカー集団(?)が一人の少女の後をつかず離れずで追い掛けていた。


そのメンバーは後ろからプラント高校ニ年、生徒会会計ニコル・アマルフィ。

その横が三年、書記のディアッカ・エルスマンと同じく三年で副会長のイザーク・ジュール。

そして、先ほどから一人で百面相をしている藍色の髪の一際目立つ美少年アスランは、何を隠そう前を歩く可憐な美少女━━キラの実の兄であった。



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