07/24の日記
07:20
コナンがヴェスペリアの世界に!C
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諦めかけたその瞬間、どこからともなく聞こえた声と共に現れた蒼い光の塊が自分の一番近くにいたケモノに当たって散失してしまった。
それと同時に立ちのぼる煙。
砕け散った光の塊は花火のようにキラキラと煌めきながら地面に落ちる前に消えてしまった。
「ぁ……」
少しずつ薄れていく煙の中からは焼け焦げたケモノの死体。
一瞬その焼死体に釘付けになっていた自分の横を黒い影が通り抜けた。
すぐに振り向きそれを目で追う。
そこには全身黒を基調とした服に身を包んだ長い黒髪の青年が自分を背に武器を構えていた。
「そこの眼鏡のガキ!動くんじゃねえぞ!!」
「えっ?ぁ、あの━━」
青年はこちらを振り返らずに用件だけを述べると残りのケモノたちの中へ自ら身を投じていった。
「ユーリ、待ってよぉ!」
少し遅れて大きな鞄を持った12、3歳ほどの少年が息を切らして青年の後に続いて行く。
「ちょっ!君ぃ!?」
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勢いってすごい!
でも種サイトなのに表に置くのもどうかと思って、こっちにしました。
でも一番はロイド君inヴェスペリアだったりして
(*^Ψ^*)
多分もう少し続くので、感想などお願いします。
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07:18
コナンがヴェスペリアの世界に!B
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彼は同年代では足の速い部類だった。
運動神経も悪くはない。
それどころか二、三歳年上にも負けないほど体を使う運動能力には長けていた。
けれど、どんなに足が速かろうがそれは子供の中での事。
走れば走るほど差が縮まり、ついにケモノの牙が彼に届く。
━━だが次の瞬間、新一の姿はケモノの視界から忽然と消えてしまった。
代わりに目前に現れたのは巨大な木。
ドォオオン!!?
地響きとともにケモノと巨木がゆっくり倒れていく。
「はぁ、はぁ……」
脳震盪でも起こしたのか、ケモノは伸びたままピクリとも動かない。
「上手くいったか…」
伸びたケモノの後ろで荒い息をついているのは姿を消した筈の少年。
彼は消えた訳ではなかった。
壁バク宙を巨木を代用して行い、ケモノの上を飛び越えただけのこと。
新一を見失ったケモノはその勢いのまま止まることも出来ず、自ら木に突っ込み意識を失ったという訳だ。
だがケモノは意識を失っただけで死んだ訳ではない。
早くこの場を去らなければ直に目を覚ますだろう。
新一は出来るだけ静かに後ずさりをした。
「グゥルルル…」
「っ?!!」
さっきのケモノとは違う唸り声に新一は足を止めてゆっくり振り返った。
後ずさった先の叢に今度は巨大な狼に似たケモノが数匹、自分の周りを塞ぐように取り囲んでいたからだ。
「一難去ってまた一難……か。今度はちょっと無理かもなぁ」
流石にこの数では逃げられないと悟ったのか彼の顔にも諦めの色が見えた。
それでも最後の悪あがきか、彼らとの距離はギリギリまでとり続ける。
(悪い夢なら早く覚めてくれよ…)
覚めたら本の続きを読んで探偵事務所に帰って、蘭の作った夕飯食って寝て、学校行ってあいつらに会って━━…
いつもの…仮初めの生活に戻るんだ。
だから…
「蒼破ぁ!!」
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07:15
コナンがヴェスペリアの世界に!A
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思考に耽っている最中に遠くの叢で何かが草を揺らす音が響いた。
直ぐさま反応してあぐらをかいていた体勢から立ち上がり姿勢を低くして音が聞こえた場所から距離をとる。
「グルル…」
暫くして聞こえたのはライオンや虎にも似た肉食獣の唸り声。
しかし、そこから現れたのはライオンでも虎でもなかった。
では何だと言われても困ってしまう。それほど形容のし難い生き物が現れたのだ。
敢えて言うなら現存する生き物を目茶苦茶に掛け合わせて出来た、まさに『この世のものとは思えない生き物』という言葉がピッタリだった。
「へへっ、もしかしなくても絶体絶命…ってヤツか?」
不敵な笑みを浮かべて軽口を叩いてはいたが彼の眼は笑っておらず、その身に危機を感じていることが分かった。
ケモノはこちらを見据えて尚も唸り続けている。
前脚で地面を掻き、自分に向かって突進して来るのが分かり、新一は背を向けて全速力で走った。
それを合図にケモノも自分を追い掛け始める。
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