12/07の日記
19:51
アスシン兄弟 シン♀キラ→アス♀キラT
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『キラは強くて しっかりしてるから俺がいなくても大丈夫かも知れないけど……』
そんな訳ないじゃん。
『ステラは俺が傍にいないとダメなんだ!』
何で気づいてくれないの…?
シンと会える時間が増えるように、父さん達にも文句言われないように勉強頑張ってたんだよ。
うちで食事した時、シンが誉めてた母さんの料理だって また食べたいって言われてもいいように作り方ちゃんと覚えたんだから。
オシャレだって、本当は僕あんまり興味ないんだよ?
でも初めてのデートでシンが顔真っ赤にして可愛い…って言ってくれたから……。
『だから……ゴメン。別れよう…』
…全部、全部全部全部全部ッ!!!
シンの為だったんだよ…?
それでも、僕じゃ駄目なの?
彼は何も言わなかった。少し俯いて…ひたすらゴメンと繰り返していた。
もっと涙ながらにすがりたかったけど、シンのそんな姿を見たらとても出来なかった。
『…分かった、じゃあ…別れよう…か…?』
その言葉でシンがゆっくり顔を上げるのを見た僕は、サヨナラと小さな声で最後の言葉を紡いだと同時にその場を走り去った。
だってシンの顔を見たくなかったから。
一刻も早くあの場所からいなくなりたかった。
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あんな事があった後なのに帰り道はやけに視界がクリアで、頭もスッキリしていた。
周りにいる人も泣きながら走っている僕に驚かない。だって僕を見ていなかったから。
携帯を弄りながら歩いている女の人も、音楽を聴きながら自転車に乗ってる学生も、井戸端会議をしている主婦たちも……。
いつもならそんなことは全く気にならない筈なのに、今のこの瞬間は有り難くもあり…、同時に寂しくもあった。
そしてスッキリしている頭は、こんな時なのにか、だからなのかは分からないが…無駄によく働き、自分の置かれている情況を的確に分析しようとする。
「ぁ…?は、ははっ……、そっかぁ…」
その答えが出た時、僕は立っていられず膝をついて無言で涙を流しながらしみじみ思った。
あぁ……、僕は━━。
捨てられたんだと……
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