04/18の日記

21:43
ミーア様とラクスさんD
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コンサート…って、ミーアの“アノ”歌でか!?

その単語で思い出すのは、クルーゼ隊にいた時にミーアから半ば強引に渡されたチケットで見に行ったコンサート。

その時はなんとか最後まで聴いていた━━いや、アスランのいる席を知っていたミーアが事あるごとに手を振っていたから帰るに帰れなかったと言った方が正しいか。

彼女の曲はアップテンポでミーア曰く、プラントの人達に勇気と希望と元気を与える歌なのだそうだ。

確かに情勢が不安定なこの状況下での彼女の歌は、疲れた彼らの心に生きる活力を与えるのかもしれない。

だが、この如何にも深窓の令嬢然としたラクスに、ミーアのあ〜んな振り付けをしながら、こ〜んな歌い方をするラクスと言うのがまるで頭に思い浮かばない。

いや、同じ顔なのだからミーアを想像するだけで良いのだろうが、何か違う気がする。

「ひょっとしてご存知なかったんですか?お出でになるのを…」

「え?あぁ、いや……まぁ」

良い返事が思いつかず、曖昧に言葉を濁す。

「まあ、連絡取り合っていられる状況じゃなかったですもんね!きっとお二人とも」

俺の答えをどう取ったのかルナマリアはニコニコしながらフォローしてくれた。

恐らくルナマリアは、ミーア━ラクスが地球でコンサートをすることを俺が知らなかった事にショックを受けているように見えたのだろう。

実際は全く違うのだが、そんな俺にルナマリアは、大丈夫ですよと言って自分の携帯電話を取り出して操作し始めた。

「…ほら、これが昨日のですよ」

そう言って渡された携帯の画面を見れば、薄暗い場所で幾つもの小さな光がゆるゆると左右に揺れていた。

「?」

訳も分からず見続けていれば、やがてスポットライトが充てられたステージには、上品な色香を漂わせたドレスを身に纏うプラントの歌姫がゆっくりとその姿を現す。

それと同時に流れ出す緩やかなメロディー。

…そして紡がれる透明な歌声と圧倒的な声量に、アスランは知らず知らずの内に魅了されていた。

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