真実はどこに?

□H&W
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 きれいごとは言わない

 使えるものは何でも使え


 それが世の中上手くわたって行くコツ。

 俺はそう思ってる。悪いな、烈。





「オレと安治は同じクラスだかんな。よかったな。オレがいて。」
「ああ。よかったよかった。ちょーーたすかりますーー。」

「うぜぇ。嘘くせぇぞ。もっと喜べよ。」

 からかってやればむくれる烈。
 でもけっこうこいつも計算高いのを俺は知ってる。
 まぁ、長い付き合いだし、なによりそうでなければ烈もこの学園に入学できてはいないだろうから。



 教室にたどりついた俺と烈は張り出してある席表通りの席についた。
 さっと視界に入りきる限りのクラスメイト達に視線を向ける。

 やはり人は見た目によらないものだ。

 真面目そうで大人しそうな容姿

 派手で破天荒そうな印象

 

 さまざまなタイプの人間が居る中でHとWに分けられた生徒たち。

 俺は愛用している手帳を鞄から取り出し、ノートスペースにメモを始める。このメモが役立つのは何時になるのだろうか…。そんな事を思う。


 ぼんやりそんな事を考えていると、教室の前の戸が開き教師が入ってきた。
 否、あれは…教師のはずである。

「おーい。席つけー。」

 ダルそうで少しボサッとした髪。だがその顔立ちは整っており、ネクタイのないスーツは朝帰りのサラリーマンを思わせる。


「おし。そんじゃまぁ入学おめでとさん。俺は担任の吉高柳生(よしたかやぎゅう)だ。言っておくが、別に名前と苗字がひっくり返ってるわけでもなんでもねぇからな。

 さて…自己紹介とかすんの面倒だろーけど、一応な。出席番号頭のやつからな。」

 しぶしぶと言った感じで出席番号1番のやつがノロノロと立ち上がる。

 俺は一人一人をチェックしながら、先ほど手帳にしるしていたメモに書き足していく。


 夢中でメモしてると、見覚えのある後姿がある。どうやら烈の番が来たようだ。


「えーと。ども!帆村烈です。趣味はーバスケ!でも部活に入る予定は今のところないでーす。
 スキな物はー女の子と女の子と可愛い子かな!」

 そういえばアイツバイだったなと思い、ウインクでもしたのだろう。色めきたつ教室の一部を見ながら、苦笑いをこぼす。

「えーと、後で自己紹介すると思うけど、渡瀬安治は俺の幼馴染だ!俺と安治をよろしくー!!」

 何のお節介なんだと俺は思いながら烈の背中を見つめていると、クルッと振り向いた烈が俺にガッツポーズをしてみせる。


 いや、お前…意味わかんねぇ。

「よーし。そんじゃ…次ー…と思ったけど、帆村が言う幼馴染が気になるから渡瀬、きりーつ。」

 ノリがいいのか、ただゆるいだけなのかは謎だが、指名されたのでは仕方が無いかと、俺は手帳を閉じ立ち上がった。

「センセ。超イレギュラーなんだけど。…まぁいいけどさー。


 俺は渡瀬安治。馬鹿烈の幼馴染です。あ。俺は女の子が大好きなんでそこんとこヨロシク。」

 言いたいことだけ言って俺はそそくさと席についた。チラチラと俺に向けられる視線の意味は多数あるだろう。嫌悪であったり興味であったり…好意であったり。
 まぁ、そんな露骨な視線を受けるのも短い期間のことだろうと俺は思う。

「おいおい。適当だな。まぁいいか。んじゃまた戻って帆村の後のヤツから

 ここは何しろ探偵を育成する学園なのだから…
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