Story
□Bus Stop!
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小さくため息をつきながらオレの肩に寄りかかっている人を見ると、どうやら同じ高校生みたいだ。
でも、自分が着ているブレザーとはずいぶん違っている。
オレの通う予定の公立高校の人間ではなさそうだ。
それに、いたって平凡で少し童顔なオレとは天と地の差ほども感じてしまうくらいかっこいい。
ワックスで遊ばせてるこげ茶の髪とか…耳に開いたピアス、着崩した制服もよく似合っていた。
そんなコノ人をオレは勝手に"居眠りさん"と呼ぶことにした。
いやぁそれにしても、男のオレから見てもかっこいい。オレが女の子だったら、今ごろ超ラッキーって思ってるだろうな。
居眠りさんが寝ているからこんな勝手な事も考えることが出来るけれど、もし起きてたらちょっと不良っぽいオーラが出ている居眠りさんとの間に2メートルくらい距離をつくって密かにビクついていることだろう。
しばらくの間、すやすや眠る顔を覗き込んでいるとバスがやって来た。
バスのエンジン音に気付いたのか、居眠りさんはフラッと体を離して、オレより先にフラフラとバスに乗り込んで行った。
寝ぼけているのだろう。目はまだとても眠そうだ。そして
きっとオレの存在にすら気付いていないだろう。
まぁいいけどね。不良っぽい人と関わりが持てるほどオレのチキンハートは丈夫になんて出来てないし。