Story
□同じベッドで眠りたい
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線路沿いにある小さな小さなアパート。
部屋は2部屋にトイレとお風呂。
コンロが2つの台所。
そこは俺の恋人
昴の家。
9999Hitリク小説 浅黄様へ
浮気攻×健気受
<同じベッドで眠りたい>
今日の空は雨模様。
重そうな雲からはあふれ出す涙みたいに大粒の雨。
近くに電車が通ってせいか、電車が通るたびに響いてくる電車の走り抜ける大きな音。それを毎晩一人で聞くことにも、もう…慣れてしまった。
何時からかな。俺が一人、この部屋ですごすようになったのは…
ある日、恋人の昴から嗅ぎなれない甘い香水の匂いがして、まさかと思った。
それがとても…とてもショックだった。その時怒ることができていたら…泣いて怒ることさえできていれば、良い方向に転がっても悪い方向に転がっても後悔なんてなかったはずなんだ。
でも、俺にはそれが出来なかった。もし悪い方向に転がりでもして、別れるなんてことになるのが嫌だったんだ。
怖かったんだ。
「もういらない」
そう言われてしまうのが。
俺こと山田充(ヤマダミツル)は今年で高校3年生になった。受験の年だ。
一方恋人の高梨昴(タカナシスバル)は俺より年下。今年で高校2年生だ。
そんな学年すら違う俺と昴が出会ったのは、本当に些細な出来事がきっかけだった。
そう。
学校の廊下でぶつかっただけ。
それがきっかけで、学校で会えば挨拶、何時しか昼食を一緒にしたり、放課後図書室で会ったり…日に日に距離が縮まっていったんだ。