Story
□同じベッドで眠りたい
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別にうちの学校は男子校ってわけじゃない。むしろ普通に女の子が居る共学の公立高校だ。
正直、なんで俺も昴も付き合おうと思ったのかわからないけれど、昴に告白されたとき、本当に嬉しくて…嬉しくて…昴の腕の中で泣いてしまったほどだ。
男同士
少しずつ…でもたしかに昴に魅かれていた俺にとって、性別の壁は大きくて…そしてなにより、女付き合いの噂が耐えなかった昴のことだ、俺なんて相手にしてくれないと思っていた。
運動が苦手で、人付き合いもあまり得意じゃない。好きなのは静かなところで本を読むこと。勉強はそれなりにできる方だとは思うけど、暗いとか、地味とか言われる部類な俺。
少しくらい仲良くなったからって、俺の気持ちを押し付けちゃいけないって思ってた。
でも、いつものように放課後図書室で本を読んでいたら、昴がやって来て俺の向かいのイスに座って、何かをノートに書き始めた。俺は本を読んでいるふりをしてその様子をうかがっていた。
ノートに書き終えた昴は、俺の読んでいた本をツンツンと突いて、俺が本から視線を外すと、ノートを広げてみせた。
そこには少しばかり不恰好な字が並んでいた。
"ねぇ充。俺のものになってよ。付き合ってください"
その後はもう…顔が熱くて…熱くて…
「お返事は?」
と言ってイスから立ち上がって俺のそばまで来た昴に、そこが図書室だということも忘れて泣きながら返事をしたんだ。
「…っ。うん。うん。ねぇ…ヒクッ…。高梨も俺のものになってくれる?」
俺がそう言うと、昴は優しく笑ってから俺の額にキスして言ったんだ。
「勿論」