Story

□同じベッドで眠りたい
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 それがもう一年くらい前のことになる。
 今まで高梨昴と付き合っていた女の子達はみんな1ヶ月ともたなかったらしい。それは昴の浮気癖のせいだと聞いていた。けれど、俺と付き合ってからはそんな様子はまったく無かったのに…。
 いざ進級すると昴の帰りが日に日に遅くなり、
 
 終いには


 キスマークと香水

 
「はぁ…」

 思いため息のあと、零れそうになった涙を小さく震える手でぬぐった。
 
 もう駄目なのかな俺たち。
 

 そんなことさえも思ってしまう。
 元々は夕食を作りに来ていただけのコノ部屋も、今ではもう俺の家同然となっていて、数々の思い出があったりもして。
 初めてここに来た時よりはるかに俺の私物が増えているのが見て取れる。

 食卓と呼ぶには小さすぎるテーブルに昴の分の夕食にラップをかけて並べる。そして、これまた小さめのソファーに腰かけて参考書を開く。
 なんだかんだ言ったって俺ももう受験生だ。勉強をおろそかにすえるわけにはいかない。だからと言って、昴の帰りを待たずに自宅に戻る気にもなれない。

 また、昴が違う香水の匂いをつけて帰ってくるとしても…



 なぁ昴、

 
 
 前はもっと沢山"好き"だって言って抱きしめてくれたのに

 何でなんだ?

 
 最近は何も言ってくれない。

 俺が夕飯作るときはウザイくらい構ってきて
 料理の邪魔だってしてたくせに…

 俺が泊まる時だって狭いベッドで一緒に寝てくれたじゃないか

 
 なぁ



 昴…

 何で?
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