真実はどこに?
□H&W
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WとH
それはこの学園を構成しているものとも言える。
Hはホームズ
Wはワトスン
この2人のことを意味し、学園の入学試験の合格通知とともに各自に通知される。
Hはホームズタイプ。Wはワトスンタイプを表し、学園内に来た探偵依頼をWとH各1人ずつのコンビを組むことでで請け負うことが許されている。
ただし、ここは探偵育成を目的とした学園である。つまり、HかWかは自ら好評してはならない。WはHである人間を推理し、パートナーを探さねばならないのだ。
「なぁ、今んとこどっちか解ってない生徒会役員って会長だけだろ?」
「んー?つか、わかってないって言うか、在校生の“推理”でもまだ定かではないといわれてるのが会長だろ?」
「俺は、Hだと思うんだけどなー!」
まったく根拠も無くそんな事を言う烈の頭を小突く。それが探偵を目指すやつの発言とは…。
「まぁ…俺はあんなのと関りたくない。お前がどうしても会長がどっちか知りたいっつて近寄るなら今日までの付き合いだと思え。」
俺が冷めたように言えば、烈は焦ったようにもうこの話はしないし、生徒会に近寄る気は無い。そう言った。
俺は幼いころから児童文庫のシャーロック・ホームズの本をよく読んでいた。
特別な力があるわけじゃない。その観察力や洞察力をフルに使って事件を解決していく姿に酷く憧れた。
中学生になってからは文庫を読み漁ることになる。
そのせいか、俺は中学時代から視力が悪くなり眼鏡をかけるはめになっている。今でこそ黒縁のオシャレ眼鏡だが、中学時代はバスケもしていたため、当時は壊れないようにとかざりっ気の無いノーフレーム眼鏡。
なんとも地味そうな印象…かと思われるかもしれなが、親譲りのハッキリしたか顔立ちのせいか、地味キャラと言うわけでもなかった。
まぁクラスにたまに居るタイプ。
賑やかなタイプと地味なタイプの仲介になり、何だかんだ双方から親しまれるタイプ。
だが、何事に対しても中立不動。どちらになびくこともない。そんな人物が俺だった。
それなのに、この閉鎖された環境の中、崇拝されているとも噂の生徒会に自ら関ろうなどと言う馬鹿な人間ではない。
むしろ、面倒な事この上ない。
俺がこの学園に入った目的。それはまさしく、自身が探偵になるためでもあるが…。
「俺は…。」
この学園1のホームズを探すためにココに来た。
日本のホームズに、ワトスンになりうる人材を探しに…ここに来たのだ…。
「コナン…ドイル…。」
「あ?安治何か言ったか?」
「…いや?何も。つか、烈。俺達何組だっけ?つか、教室って何処?」
その前に、
「安治…お前…方向音痴なんとかしろよ。この学園でまともに生活できねぇよ?」
「あ?…まぁ…烈が…俺をつれていってくれんだろ?」
滅多に緩むことのな口元と目を緩めれば、烈はビクッと反応したあと。“そう言うと思った”とだけ言って歩きだしたので俺はその後に続いた。