NOVEL

□愛証
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壊れてしまわぬ様に

ひとつひとつ

丁寧に

それでいて
求める様に

痕を残してゆく


俺とお前の





愛証




ビュティの首筋には、昨日の昼間には見覚えの無い絆創膏、

そしてその上から

俺のマフラー

「どうしたんだ?ビュティ、破天荒のマフラーなんか巻いて」

そう口を開いたのは兄のソフトン。

「なんかってなんだよなんかって」

「…ぁ、うん。私が寒がってたら破天荒さんがマフラー貸してくれて」

絆創膏が見えてしまわない様に、首筋になんとなしに注意を払うビュティ。

「なんだ、寒いのなら俺が上着を…」
「いーじゃねぇか、別に。嬢ちゃんもマフラーで充分あったけーっつってるし。だいたいソフトン、お前その上着脱いだらタンクトップだろ?嬢ちゃんはそれ気にしてんだよ」

自分の上着を貸そうとするソフトンに俺が制止する。

「……そうなのか?ビュティ」

「うん、私ならマフラーで充分あったかいし。ありがとね、お兄ちゃん」

「………ぅむ……」

マフラーで良いんだ。

いや、マフラーでなけりゃダメなんだ。

マフラーでなければ、俺とビュティの痕が隠れない。

昨晩、俺がビュティの首筋に残した、愛し合った証。




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