NOVEL
□★secret lily
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「スズさん!」
「ビュティさん!」
この街に辿り着いて3日が経った。
ビュティはソフトンと共に、夕食の買い物をしに街へと出ると、偶然にも軍艦とスズに出会った。
ビュティとスズは、以前に何度も接触を繰り返していて、それ故仲が良かった。
「久しぶりですね〜!それにすごい偶然!軍艦さんとスズさんは、どうしてこの街に?」
「ああ。スズがな―…
「えっと!!っ…この街にはとても質の良い武器が揃っているので!」
「そうなんですかぁ!ふふふ。スズさんに会えて、何だか嬉しい」
「―…!……私も、とても嬉しいです」
そう言ってスズはビュティの手を握る。
ビュティの顔には再び花の様な笑顔が咲いた。
「スズさん達は、あとどの位この街に?」
「そうですね…、あと…1週間程は…」
「本当に?!!じゃあじゃあ、もしスズさんに時間が有れば、一緒にお買い物行きませんか?!」
「!!よっ…
スズが言葉を発する前に、ソフトンの口が開いた。
「ビュティ、余り我が儘を言うんじゃないよ」
「…あ、そっか…、ごめんなさい、スズさん…」
桜色の少女は、ソフトンの優しい諭しに、小さく肩をおとした。
金髪の彼女はそんな少女は見たくない。
買い物も2人で行きたいのだ。
「そっ、そんなこと無いですよ!是非行きましょう!お買い物!」
「!!本当ですか?!」
「勿論です!」
途端にビュティの顔は輝いた。
旅は男性陣ばかりの上に、戦いずくしのビュティにとって、スズといい気の合う同性が居るというのは、とてもありがたいことなのだ。
しかもスズは、常識がある上に、かなり心優しい。
年下である自分にも敬語で話す程の謙虚さは、くすぐったくもあるが、それはとても安心できた。
「では、…明日!明日出掛けましょう」
「ハイ!」
スズはそう言うと、ビュティ達の宿泊しているホテルの名前をきき、明日そこに来てくれると約束した。
そしてキリがないからと、ソフトンと軍艦に半ば強制される形で、2人は別々帰路についた。
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