NOVEL
□イケナイ太陽
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「ぐぁああ〜!!暑い〜!!」
「死ぬ〜!!!」
容赦なく照りつける太陽に、グダグダと愚痴をこぼしているのはボーボボ一行で、軽快だった足取りも、日が昇り詰めた今では、殆ど使いものにならない。
ヘッポコ丸は、半分が溶け出していた天の助を引きずっていた。
「な〜…ボーボボ…俺もう限界…。どっかで涼もうぜ〜…」
そう言った首領パッチのトゲは、情けなくしおれてしまっていた。
「ああ…、この暑さは殺人ものだな。ビュティは大丈夫か?」
「ボーボボ、…私は大丈夫だよ。それよりも天の助君たちが…」
買い与えられた日傘を射し、額の汗を拭いながら少女は弱々しく微笑む。
日頃鍛錬を積む自分達と比べ、線の細い、か弱いビュティのことが、ボーボボは心配でならなかった。
実際、いつ倒れてもおかしくない脆弱さだった。
「ボっ…ボーボボさん!天の助がもうほとんど液状化しましたっ…!!;」
「…とりあえずバケツ入れとこう。そのうちくっつくから」
「はぁ…;」
存在さえ危ぶまれている天の助にはこの態度。
こういう時、ボーボボがいかにビュティを大事にしているか、少女以外が実感するのであった。
「っ……」
「!!おい嬢ちゃん…っ」
ついにビュティの、日傘を掴む力は失われ、その身体は重力に飲み込まれる。
倒れる瞬間に、破天荒が少女を支えた。
「ビュティ…!」
「おい嬢ちゃんっ…大丈夫か?!」
一斉に全員が、少女の元へ駆け寄る。
「―……ごめ…ちょっとクラってきちゃって…」
火照った頬に、その桜色の唇が小さく動く。
表情は、申し訳ないという気持ちで歪んでいた。
「ど〜すんだよボーボボ!この辺病院なんてねぇぞ!!」
「いや…、有ってもビュティのような熱中症患者で溢れてるぞ」
「じゃ〜どーすんだよ〜!!!!」
しおれていた首領パッチのトゲは、流石のビュティのピンチで、力一杯突っ張っていた。
そんな中、ボーボボの頭には、ある考えが芽生えていた。
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