NOVEL
□story
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「俺と一緒に生きてってくれるか」
穏やかな昼下がり。
花畑のド真ん中で、少女に日傘を差しながら、そう言った。
花冠を作っていた少女は、その大きな目をぱちくりして俺を見つめた。
「…どうしたの?いきなり」
「っ…いいから嬢ちゃんの返事を聞かせろ!」
「返事って…何が?」
どんだけ鈍いんだオイ。
いや…俺も唐突過ぎたか?
他に言葉が見つからねーんだ、しょうがねぇだろ。
「もう1度言ってよ?」
「っ…2度も言えるか、アホ」
赤い頬を隠して、俺は背を向けた。
すると瞬間、大きな突風が吹いた。
「きゃッ…」
「!!!」
俺はビュティを抱き締めると、風の吹く方を背にする。
花弁がひどく舞って、微かに開けた俺の視界にはピンク色の世界だけが広がっていた。
十数秒程で風は止み、再び元の穏やかな花畑へと姿を戻した。
「ありがと破天荒さん」
「怪我無いか?」
「うん。破天荒さんがちゃんと抱いててくれたから」
「そうか…。、ここ丘だからな、風が強ぇんだよ」
「!!あっ」
ビュティの髪を梳かしていた俺の手が一瞬強張った。
「どうした?!;」
「…日傘飛ばされちゃったぁ〜」
「あちゃー;…ま、しょーがねぇな;後で新しいの買ってやるよ」
そう言って桜色を撫でたら、ビュティは笑った。
「…ねぇ破天荒さん。さっきのって…もしかしてプロポーズ?」
「え…、…!!!;おっ前…聞こえてたのかよ…!!」
「聞こえてたよ。だけど意味が分からなかったの。…で、さっき抱き締められた時にハッとしたの」
「プ、プロポーズってか…」
「?違うの?」
そこまで考えてなかった。
いや…違くて、ただ、もっと単純に、純粋に、お前とずーっと一緒に居たいと思ったんだ。
…あ、これが結婚したいってことなのか?
「…破天荒さん?」
俺は近くに咲いてた白爪草を取り、ビュティの細い左手の薬指に巻き付けた。
「…とりあえず、予約。」
「俺と生きてって欲しいよ、一生。…嬢ちゃん」
「…もちろん」
これから作ってく
俺とお前の物語
*fin*