NOVEL

□★未完成な僕らの二人旅
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“ふたり旅、しようか”










自然にそんな言葉が出てきた。


勿論本気だったけど、無理だ、と笑って返されるのが目に見えていたので俺はあくまで冗談混じりを装った。


するとビュティは…、










“うん、…行きたい。”









彼女の予想外の嬉しい返事に、俺達のふたり旅は始まった。


















「そろそろ休憩する?ビュティ、疲れただろ?」


「ううん、平気だよ。」



そう言って俺の手を握る握力を少しだけ強めると、ビュティは真上で燦々と照る太陽の様に笑った。



秋の太陽は調度良く俺達を照らして、秋風はそよそよと心地良いのに、俺は彼女の愛くるしい笑顔にひとり暑くなった。




「へっくん?どうかした?」

「い、いや…何でもないよ」



「…あのさ、」

「ん?なに?」





「…ボーボボ達今頃何してるのかなぁ」


「………帰りたい?」


「ううん、ただ、いつもみんなと賑やかに歩いてるから、へっくんと二人きりだとなんか不思議。」



「はは、それもそうだね」


「でしょ?いちいち突っかかってくる首領パッチ君も居ないし、それにくっついてはしゃぐ破天荒さんも、無駄にところてん奨めてくる天の助君も居ない。田ちゃんもお兄ちゃんも…そして何よりボーボボが…。」


「―……」






一週間の約束で、ボーボボさん達から半ば強引に承諾を得たふたり旅。



俺達は愛し合っていて、この旅に不安なんかひとつも無かった。
…あ、いや、敵のことには少し不安だったけど、ボーボボさん達が居ないと俺達は本当にただの旅人で、突っかかってくる敵なんて極少数だった。




だから不安なんて無かった。



…けど、彼女の“寂しさ”は計算外だった。











「…寂しい?」


解りきっているのに聞いてみる。肯定されたらショックなだけなのに。









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