NOVEL
□moment
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「ほらっ破天荒もジョッキ持て!」
「っでッか…、どんだけ呑むんだよ」
ボーボボから手渡されたジョッキは特大で、中のビールは溢れんばかりだった。
「よ〜しじゃあいくぞ」
『カンパ〜イッ!!!』
一斉にコップに口をつける
ビールを手にしているのは、俺とボーボボ、おやびんにソフトン、変なところてん(つうか酒呑めんのかよ)
ビュティと白髪のガキと田楽はジュース。(田楽だけは無理矢理酒を呑まされてる)
時間を忘れてどんちゃん騒ぎをする。
酒豪だと豪語した俺も、流石に酔いつぶれていつの間にか潰れた。
……………。
……未だ太陽も目を覚まさない、朝方。
冷え込む寒さと酷い頭痛に少しだけ身震いをして、目を覚ました。
二日酔いを堪え、金髪をボリボリとかきながら辺りを見渡すと、酒に酔いつぶれた連中が、俺同様、辺りに転がっていた。
すると朝霧の中、小さく蠢く桃色を見つけた。
「―…………」
太陽がまだ昇らない、静かで冷え込むこの空間で、1人の少女は働いていた。
「………嬢ちゃん?」
「―え、………あ、破天荒さん」
振り返り俺を見つけた少女は、予想通り、ビュティ。
「……何してんだ、こんな朝っぱらから」
「あ………、………ちょっと片付けを…」
「片付け?」
あくまで皆を起こすまいと、小声で喋るビュティの手には、しっかりとゴミ袋が握られていた。
袋の中には全員が食べ散らかしたゴミ。
相当散らかしていたであろう周辺も、ビュティ1人の手で殆ど片付いちまってる。
「……嬢ちゃん……よくもまぁ……」
「いえ、大した事じゃ無いので……。…破天荒さんももうちょっと寝たら?二日酔いで頭痛酷いんじゃないですか?」
「―…………」
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