NOVEL
□愛証
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「絆創膏だけで大丈夫じゃない?」
鈴の音なんかよりも、ずっと繊細で可愛らしい声が小さく響く。
ここは今晩泊まる事になったホテル。
ビュティはバスローブでベットに横たわっている。
「ばぁか。絆創膏だけじゃぁお前のあのシスコン兄貴は気付くって。それに絆創膏なんてもう古いテだ。」
「…そうかなぁ…」
ビュティの首筋は、絆創膏をすっかり剥がし、昨晩の痕はくっきりと残っている。
ちなみに胸の谷間もくっきり。
「…さぁてと」
俺は小さなユニットバスからビショビショのままバスローブを着て、ビュティの居るベットへと腰を下ろす。
「破天荒さんいま何時?」
俺は携帯をみて、
「0:00ジャスト。」
「皆もぉ寝たかな」
「さぁ」
俺はビュティの首筋の痕を撫でる。
「…このホテル良いな。狭いけどラブホとしての活用要素も有る。」
「なにそれ」
「風呂でシャワー浴びててもベットに居る奴が丸見え。」
「え?!ウソ!?」
「ほーんと。マジックミラーだから」
「…………」
「気付かなかったのかよ」
「………ここホントはラブホテルなんじゃなぃの?」
少しだけ赤くなるビュティ。
「ビュティ」
俺はビュティのバスローブをするりと脱がす。
綺麗な身体。
「今日は痕付けなぃでね」
「さぁ」
俺はビュティにキスをする。
「だいたいどうして昨日は痕付けたの?」
━…………。
ディープキス。ビュティの身体を撫でまわす。
「あん…、はぁっ…」
首筋に再び残してゆく、
痕。
ビュティのピアスが揺れる。
まるで
繋ぎとめるかの様に
俺等の愛
愛の傷痕。
そこにあるべきは
愛証
「━…好きだ」
*fin*