NOVEL

□menstruationーfret
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ビュティが横たわっているベットのシーツと、ビュティの下半身が、真っ赤に染まっていた。


「ガキは外に出てろっつ―の」

そう言われて閉め出された俺と首領パッチと田楽マンとてんの助。

俺以外の皆は、何故か大人しく退散した。


「えっ…ちょ……首領パッチ!みんなもっ…」

「なに焦ってんだよヘッポコ丸?」
首領パッチが不思議そうに俺を見た。

不思議なのは俺の方だ!!


「ビュティは月経がきてるノダ!!だから最初っからみんなビュティには気を使っていたノダ!!」

「――!!!!!……みんな、気付いてたの?」

「ったりめーだろ!昼飯残したぐらいから皆、感づいてたっつ―の」




俺は崖からでも突き落とされた様な気分になった。
俺以外の皆、田楽マンでさえも気付いていた事実を、俺は全く気付けずにいた。
それを考えると、今まで偉そうに首領パッチ達に怒鳴っていた自分が、如何に滑稽であったか。

悠々と想像出来るそれは、自分の、余りに子供で、外し過ぎた優しさだった。


愕然として、未だビュティの部屋の前に立ち尽くしていた俺は、いきなり開いた扉にクリーンヒットした。

「――……と、ヘッポコ丸」

「ってぇ〜……ソフトンさん。…!!!ビュティっ…」


“お姫様抱っこ”をされてるビュティは、ソフトンさんの広い胸の中で、いつもの元気は無い。

「…心配するな。ビュティは普通の女性よりも月経が重いんだ。…ストレスが加わると更にな」

「っ…やだ‥お兄ちゃ…ヘッ君にそんなこと…」

赤くなったビュティはソフトンさんの首にしがみつく。


「悪い悪い。―…それじゃあボーボボ、俺達はこれからタクシー拾って病院へ行く。…後は頼む。」

「ああ、分かった。くれぐれも大事にな」


そうボーボボさんと言葉を交わすと、ソフトンさんはビュティを抱えたまま俺の横を通り過ぎた。




俺は酷い疎外感と惨めな気持ちでいっぱいだった。








ビュティの側に居るのも、変化に気付けるのも、自分で在りたかったのに。









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