NOVEL

□menstruationーfret
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コンコン、

「はい?」

ガチャ‥、


「………ビュティ、」

「ヘッ君!」


時刻は午後4時。
タイミングを見計らって、俺はビュティの部屋へと足を運んだ。




「………入っていい?」

「もちろん」


上半身を起こして、本を読んでいたであろうビュティは、それを閉じる。

俺は、ベットから少し離れたソファへと腰を下ろす。


「……身体、大丈夫?」

「平気だよ。お兄ちゃんが大袈裟にするんだもの。…毎月の事なのに。」


「……………」


「…あ、ごめんね。ヘッ君、今朝は見苦しい所見せちゃったみたいで…」

「え?!いや‥見苦しいだなんてそんな…、…俺の方こそ………」


「………?なぁに?」



ビュティのビー玉の様な青い目が俺を捕らえる。








「…俺、全然…ビュティが大変な時も…全然何も気付けなくて…出来なくて……」

「…ヘッ君」


「…俺も、ソフトンさんみたいに…しっかりと色々出来てあげれば良いんだけどさ…」

俺がその言葉を吐いた瞬間、ビュティが笑った。


「??!!」


「ふふふ、あはは…っごめんヘッ君、笑っちゃって…」

「????;」






「お兄ちゃんは違うよ…!あれは過保護で…っ昔っからなんだけどね…!…私のこと、知り尽くしているから、どんな時にもキビキビ動くのよ〜」



「…………へ?」






「……だから、私はそんな風に自分を知り尽くされてて、キビキビ動かれるよりも…、ヘッ君みたいにオドオドしてる方が好きよ」





「………………?」







今、 なんて?







ついには自分の都合の
良い様に聞こえる耳を
もったのか?








「ヘッ君」








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