NOVEL
□menstruation-blood
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ビュティのジーンズが、1部分赤くなっていた。
ビュティはそれをバレないようにと、隠している様だ。
だが図らずとも俺は、ビュティの隠す『一大事』に気付いてしまった。
妹のピンチを、俺が見捨てられる筈がない。
「ビュティ、夕飯はちゃんと食べるんだぞ」
「ハイハイ、分かってるってボーボボ」
「夕飯も残したら俺が食べてやるからな」
「も〜首領パッチ君ったら」
ボーボボは、首領パッチのトゲトゲをぶちぶちととりたながら自分の食事をする。
首領パッチは抜かれているのにも関わらず、ビュティの食事を自分の口へと運ぶ。
ヘッポコ丸は羨ましそうに横目で首領パッチを見ている。
今のところ、誰もビュティの一大事には気付いていない。
「…お兄ちゃん?どうしたの?‥さっきからずっと怖い顔してるよ」
「ホントだな〜。いつもの事とはいえ、喋らなすぎて不☆気☆味」
「あんたの方が不気味だよ!!!!!」
……………。
突っ込んだり、周りのノリに合わせて笑う度に、ビュティはバレないように腹を押さえる。‥腹痛も酷いのだろう。
そして何より、『生理』という、周りに最も相談しにくく、バレてしまっては羞恥に変わる痛みを持つビュティを俺は1秒でも早く救ってやりたかった。
そんな思いで、とっさに出た行動は、酷く周りを混乱させた。
俺は、ハンバーグを切る為に出されたそのナイフで、自分の手首を切った。
勿論故意でやった訳だが、不自然でない様に、あくまで誤った形で。
「っお兄ちゃんっ‥やっ‥大丈夫!!??」
血でビュティのジーンズを汚す。
「お、おいソフトン…っ!!」
「早く手当てをっ…!」
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