NOVEL

□menstruation-blood
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急いで店員が駆けつけ、手当てをして貰った。

店に責任は皆無であるのに、店員がひどく謝ったので、申し訳なく思ったが、そのかいあってビュティの一大事は皆に知られることは無かった。











だがその夜。
俺達が泊まることとなったホテルの、割り当てられた俺の一室に、ビュティが尋ねてきた。




「…お兄ちゃん、あの…昼間のことなんだけど‥」


「………ああ」


白いワンピース一枚のビュティは、ソファへと腰掛ける。
ひどくうかない表情だ。





「……私の思い上がりだったらごめんなさい。……………昼間行ったファミレスで、お兄ちゃんが怪我したのって…わざとやった?………急に生理がきて、ジーンズを汚してしまった私の為に……。」



「……………」



やはり気付いてしまったのか。……そのせいで、気になど病ませなくないのに。




「…………やっぱりそうなの?お兄ちゃん…」


「………ビュティ」



ビュティの青い目には涙が浮かんでいた。
…その目に映っているのは、俺の左腕に巻かれた包帯。






「………お兄ちゃん、…私嬉しくないよ…、ちっとも嬉しくない…」

ついにポロリとビュティの頬に涙が伝った。



「……すまない…ビュティ…、俺は…ああする他に何も浮かばなかった…」


「っ…………」





ビュティは俺の、ズルズルと伸びきった髪の毛を掴む。

俺はそのまま、ビュティの目の前へとしゃがむ。









「っ…手首は…平気なの…?」


「…ああ、こんなもの。どうってことはない」






「………っ良かった…」









俺は小さく震えるビュティを抱き締める。









「………驚かせて、悪かったな…ビュティ」









抱き締めた力で、
また少し、じわりと包帯に血が滲んだ。










*fin*









…やり過ぎだろソフトン。汗))
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