NOVEL

□menstruation-rule
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「ほら、嬢ちゃん」


「え…?コレ……」









小1時間前、俺はビュティを置いてレストランに向かった。

『おっせぇ〜ぞ!』とか、『ビュティは?』とか、『先に喰っちまってるぞ〜』とか、
そんなアイツ等のぼやきを無視し、俺は調理場へと直行した。




「悪いけど!―…月経痛が酷い女も食える様な、あっさりしてて軽いモノを作って欲しい!金なら払う」








馬鹿みたいに直談判しにいったら、喜ばしいことにそこの料理長は女で、かなり話しが通じた。





しかも金もタダで。
















「あっさり味のサラダに、一口パン。コーンのスープに、にんじんのゼリーと、フルーツあえだとよ。」



俺は自らの手で、ビュティに食事を運んだ。








「………こんなの、メニューには無いよね?」









「……………まぁな」





「…もしかして、頼んで作って貰ったの?」





「…………………」







すると洗濯機の機械音と振動が止んだ。
洗濯が終わった様だ。




「…破天荒さん、なん…

「ほらいいから食えよ!せっかく料理長直々に全部作ったんだからよ!」



俺は、それ以上追求されるのが恥ずかしくて、ビュティの言葉を切ると、食器を差し出す。







「…………じゃあ、いただきます」



「…おう」




ビュティは静かにそれを口に運ぶ。

そして微笑む。





「…美味しい。…ありがとう、破天荒さん」


「おう」








俺は、ビュティの食事をしている姿が、実は密かに好きだったりする。


静かに、だけどとても綺麗にナイフとフォークを使い、丁寧に口に運ぶ。

セレブ階級なんじゃねぇの?なんて以前聞いてみたが、それは笑ってあっさりと否定された。





…となれば、この上品さは、天然モノ。












俺は見とれるしかなかった。
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