NOVEL
□menstruation-rule
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「…破天荒さん?…なに見てるの?…私の顔、何かついてる?」
「………………。…ついてるよ、嬢ちゃん」
俺は、ビュティの唇の端をペロリと舐める。
「ありがと」
「いいえ」
ついてるなんて、嘘、だけどな。
「破天荒さんは朝食は?」
「ああ、じゃあ俺は適当にルームサービス頼むよ。」
「?レストランで食べないの?」
「ああ、―…嬢ちゃんの側、離れらんねぇからな」
「そんなの気にしなくていいのに」
俺はビュティに少しだけ笑いかけると、洗濯機の元へと行き、“乾燥”のスイッチを入れる。
洗濯機が再び動き出す。
「…もしかして破天荒さん、ルールのこと気にしているの?」
「あ?」
カチャリ、と食器を置く音がした。
「ほら…、私に月経がきたときには、気遣って貰うってルール。」
「それがどうかしたか?」
俺はビュティに背を向けたまま、洗濯機の中の回転を見下ろす。
「だから…、私があんなこと決めちゃったから…破天荒さんは私が月経の時に無理して優しくしてくれてるんじゃ…
俺は言葉の端で、自分の唇でビュティの唇を閉ざす。
「っん……っつ―………」
唇を離す。
「っ…破天荒さん…?」
「ばぁか」
俺は、全身真っ黒のワンピースを着ているビュティを、軽々と抱く。
「なんでルールなんかに従って、俺が嬢ちゃんに優しくすんだよ」
「へ……?」
俺を見下ろす、ビュティの大きくて青い瞳がクリクリと動いた。
「………俺はそうしたいからしてんだよ。ルールなんか関係ねぇ。」
「……………!」
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