NOVEL
□Good-morning call
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「なんだ?ヘッポコ丸の奴、まだ起きないのか」
「ふふふ、昨日も遅くまで修行頑張ってたみたいだから」
すると首領パッチくんがフォークを振り回して喚く。
「だからって寝坊はいいのかよ〜!早く来ねぇとヘッポコ丸の分も喰っちまうぞ〜!」
「はいはい。分かったよ。今起こしてくるから!おかわりならまだフライパンにあるから、食べたかったらドーゾ!」
「「わぁ〜い!!」」
私はダイニングを出て、ヘッ君に割り当てられた部屋へと足を運ぶ。
「…何か起こしちゃうのも悪い気がするけど、…ま、しょうがないね」
コンコン、
「ヘッ君〜?おはよう〜。起きてるぅ?」
返事は無い。
「……………。ヘッ君〜?入るよォ〜?」
返事を待たずに(寝てるから返事なんて返ってこないもの)、私は部屋のドアを開ける。
「…ヘッ君〜…?」
ベットに死んだ様に寝ている彼は、上半身に何も纏っていない。
きっとシャワーを浴びて直ぐに、ベットへと倒れたんだ。
「…このまま寝かせててあげたいけど…」
ベットの隅、ヘッ君の膝辺りに腰を下ろす。
普段の彼からは想像出来ない、無防備なその寝顔を眺めて、少しだけ可笑しくなる。
「ふふふ…、よっぽど疲れてたんだね」
小さく彼の腕に触れる。
直にその身体をみると、筋肉質で、腹筋も割れていて、なんだか堅そう。
「……いっつも私、この腕に守って貰っているんだね…」
戦いの傷跡に触れる。
きっと私を庇ってついた傷もたくさんだろう。
「…ごめんね、―……いつも守ってくれて、…ありがとう」
するとなんだか、急に彼に対しての愛しさが込み上げてきた。
「―……………」
いつもみたいにセットされてない銀髪も、
耳に幾つも空いてるピアスも、
彼の逞しい身体も、
「……好きだなぁ…」
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