NOVEL
□イケナイ太陽
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「海に行こう」
「「「「……は?」」」」
ボーボボがそれを浮かんだのは自然で、ある意味必然だったのかもしれない。
* * * * * *
「「おお〜!!海だぁ〜!!」」
![](http://id48.fm-p.jp/data/19/honeysheep69/pri/12.jpg)
一行の目の前には、青々とした海が広がっていた。
ビュティと日傘を背負っていたソフトンからも、笑みがこぼれた。
首領パッチにポコミやガ王、溶けていた筈の天の助もあっという間に再生し、歓喜の声を上げて海へと飛び込んだ。
海は近かった。
近いと言っても、小一時間は歩いた訳だが。
元々海に囲まれた地であり、首領パッチ等は、ずっと海水浴をしたいと騒いでいたのだ。
約束をしていた訳では無いが、そこまで懇願されると連れて行かない方が悪者の様だった。
理由は何にせよ、皆が喜んでいるので、ボーボボも嬉しかった。
「―ビュティ、おい、大丈夫か?」
「―……」
「ビュティ」
ボーボボとソフトンは、心配げに、優しげに、少女の名前を呼ぶ。
瞑っていた青い目が、ゆっくりと開いた。
「………ボーボボ…」
「海に着いたぞ」
「え…?」
ぶつかり合う涼しげな波の音に、少しだけ鼻にかかる潮の香り。
ビュティは一瞬夢でも見ているのかと思ったが、その心配は直ぐに砕けた。
「お姉ちゃ〜ん!!!」
「ビュティー!!早くこっち来いよ!海入りゃ熱中症何て吹き飛ぶぜ〜!!」
「おらっ早くしろよ!」
「えっ…ちょっ…首領パッチ君…!」
首領パッチは無理矢理ソフトンの背からビュティを下ろすと、強引にその手を引いた。
弾みで波にさらわれそうになった日傘を、破天荒が焦って掴んだ。
「おらっ!」
「きゃっ…!!」
バシャッ
「てめっ!首領パッチ何してんだぁ!!」
「ビュティ!!大丈夫か?!!」
補足するようだが、首領パッチは、あくまで良心でビュティを海水へ突き飛ばしたのだ。
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