M.L.T.

□his wound
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「おはよー、愛佳ー」

「あっ、桜おはよう」

「泰希やっぱサッカー入っるんやってさ、慎吾も」

「あ、やっぱり?」


今日は入学式。
門には[入学おめでとう]と書かれたやつが立っていて、ちらほら胸に花をつけた子も見かけた。

余裕を持って登校した私。
今日は恵里より早かった。

普段はこんな感じで、昨日が特別遅かっただけ!!
昨日だけなんですっ!

そんな訳で、まだ教室には少ししか生徒は来てない。
桜や紀、湯川の二人もゆーちゃんもだし泰希も。
梼と詩絃くんはクラスが離れちゃった。


「昨日さぁ、帰ったら美羽ちゃん来てさぁ…」

「え?美羽ちゃんって?」

「泰希の妹」

「ああ…、ってゆーか何でっ!?」

「それが分かんないんだよぉー!聞けないしぃー…」

私はそう叫ぶと、ボフッと鞄に頭を埋めた。

「聞けないって…?」

「奴ん家の家庭事情が複雑過ぎてさぁ」

「ああ、母親が非婚主義で籍は入れず子供を生んで父親とは別居してたけど最近、その美羽ちゃんが父親の事を聞いてくるようになり、それで父親と籍を入れようか悩む。でも父親は禁断系の彼が居て…」「違いますっ!!」



恵里のこれは最早尊敬に値する。
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