M.L.T.

□未定
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「やべぇ、美羽ちゃんめっさかわええやんっ!!絶対泰希となんか血い繋がってへん!」


私とゆーちゃんが帰宅して、暫くしたら鈴が来て、桜が来て、そして美羽ちゃんが来た。

因みに、美羽ちゃんは来るや否や桜に思いきり抱きしめられてる。

いや、気持ちは解る!
解るけども!!


「ウチの妹にする」

「じゃあ泰希か慎吾の嫁になんないとね。」

「…じゃあ妹分」


ケータイをしながら依然抱き着いたままの桜に鈴が現実をつきつけた。
いや、夢を見させてあげようよ!


「美羽覚えてるよ、桜お姉ちゃんだよねっ!」


桜、再びギュウッ


「もうほんま貰うわ。ウチもう誘拐犯になってええから」

「じゃあアタシが警察つきだすーっ!!」


ゆーちゃんが挙手しながら立候補した。


「あ、アタシ遊雅ね。泰希とは小学校違うから知らないよね?」

「遊雅ちゃん、覚えた!」

「…ちょ、アイカぁ、アタシもこの子貰うわ」

「ゆーちゃんまでっ!?」


一瞬で感染。
恐るべし美羽ちゃん。


「クッソ、紀来ないってさー。あの馬鹿本当一回死ねばいいのに」

清々しい程の作り笑顔で、鈴がケータイを見ながら言った。

そうか、紀来ないんだー、


「あっ、紀ちゃんも知ってるよ!!お兄ちゃん居るんだよね!美羽と同じだねっ」

「はいはいはいっ!ウチも!ウチも兄居る!美羽ちゃんと同じっ!!」

「えっ、アタシも兄居るっ!!」


「あはは、美羽ちゃんは二人お兄ちゃん居るでしょ?」

「お兄ちゃんはお兄ちゃんだよー」



(((やべ、可愛い)))



鈴を除く全員の心が今読めた。


「美羽ちゃーん、うちの親戚に男の子居るんだけど将来結婚してくれないかな?まだ2歳半なんだけど」


そうきたか鈴!!



「現在結婚のご予約は受け付けておりませーん。っつーか永遠に受け付けねぇし。」


チキショーこいつもうチャイムすら押しやがらねぇっ!


「何人ん家に勝手に入ってんだよ不法侵入者め。」

「黙れ鈴(すず)。お前ん家じゃねぇだろ」

「黙れしんちゃん。これは一般常識だ」

「黙れチビ。中1でピアスパコパコ開けて何が一般常識だ」

「ちょっと待て、身長はテメェとあんま変わんねえだろうがチビ。」

「俺は伸びたがお前は平行線だろうが貧乳」

「貧乳はステータスなんだよ粗チンが」

「せめてCだろ手にちょうど収まるサイズだろ。っつーか粗チンじゃねぇよ見たことあんのかよてめぇおいこら変態」

「手に収めたのはママの乳とテメェのナニしかねぇくせに生いってんじゃねぇよ餓鬼が。何だよ粗チンじゃねぇなら見せてみろよ国道まで出てやらぁ、その自称立派なもんを晒せよ変質者」
「美羽ちゃん宿題見てあげよう!!」


駄目だ。こいつらの言い争い汚なすぎるっ!!


「あれやな、あの内容をなんであんな平然と口元だけの作り笑いでスラスラ言えるんやろな、」

「ある種の才能だよ」

「美羽何言ってるか分からなかったよ?」

「美羽ちゃんは分からなくても良いの、ほら、宿題しよっか」

「うんっ」
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