M.L.T.

□come back!?
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「愛佳愛佳ぁっ!」

「んっ?あ、梼か」

体育館館に入り、ついこの間まで三年生が居た位置に居ることに違和感を覚えながら立っていると、クラスメイトの男子、山川 梼(ユズ)が声を掛けて来た。
因に大阪に彼女が居るらしい。

「C組に転校生らしいぞ」

「えっ、マジすか!オス?メス?」

成る程、だから皆ざわついて…

「いや、男?女?じゃね?普通。あっ、男男。」

「えーっ、普通にテンション上がるーっ!見た目どんな子?」

「それは不明」

「少なくとも胸を張って言うことでは無いわな、うん」


梼につっこんですぐ、C組の男子の列を見る。


が、


「うっわ、全然わかんねー」


梼が呟くのも頷ける。
私達はA組で、間にはBが居るからCはいまいち分からないから。


「よしっ、諦めて後からにしよう!」

「さっすが梼!諦めがいーねっ!」


ただし、見に行く時はお互いに誘おう、と約束をして、始まった始業式での校長の言葉も大半が頭に入らないままその場を過ごした。


そして、ウズウズしっぱなしだった始業式も終わり、さぁ見に行かんとしていたその時、B組の平坂 紀(ノリ)とC組で関西出身の花村 桜がコチラへニヤニヤしながら駆け寄ってきた。


「何、お前ぇら気持ち悪ぃよ」

「だまらっしゃい」

「だまらっ…お前何歳だよ」

桜の一言に一度つっこんでみるものの、そこからは続かず梼は黙った。


「アイカもう転校生見た!?」
「えっ?まだだけど…」

「「ぶはっ!」」

吹いたっ!?

「まぁ楽しみにしときいや!」

「えっ、な、何を…」


私の質問を気に止める事なく、恐らく耳に入れることもなく、爆笑しながら教室へと二人は戻って行った。

「何だよ、そんなに面白い奴なのかよ転校生っ!」

「さ…さぁ…?」


結局、二人は私を笑いに来たのか?
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