*二次創作小説*

□この気持に名前をつける事などできない
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〜この気持ちに名前をつける事は、まだできないけれど〜

 君と僕は似たもの同士だね。この気持ちがなんなのか分からないところも不器用な所とかも・・・。先に誘ってきたのは君だからその誘いに乗ってあげるよ。

†††††††††

 僕の喘ぎ声と君の声、ざらついた舌が僕の汗を舐めとる。そんな汚いものを舐めるなんていい趣味とは決して言えませんね。ですがあなたの姿は妖艶。そして、獣の様に獰猛な輝きを放つ黒曜石の瞳で捕えられると、ぞくり、と背筋に電流の様な感覚が迸る。あぁ、その瞳。君はまたあの時と初めて対峙した時と同じ好戦的な目で僕を射抜くのですね。
それを思い出してしまうと、それは形となり、気持ちと共に下腹部に集中していく。透明な雫が先端からどろどろと溢れ出ていきます。こんなにも僕は君を感じている。君も僕を感じたのですか?僕の中で熱の塊をぶちまけてしまう位に。人は欲には敵いません。僕もまた人の子です。欲は果てしなく産まれ、果てる事を知らないのです。
 あぁ、何でしょうか・・何かが僕の中を這いずり回っては、君に何かを肯定されたいと望んでる。君も同じなのですか?でも分かりたくないのです。この感覚を知りたくないのです。今は身体の奥底から感じるこの快楽の海に溺れて忘れてしまいたいのです。忘れさせてください。
 ・・気持ちいい。君も気持ちいい。それだけで今はそれだけ感じられればいいのです。そんな僕の気持ちも露知らずな君を僕は見下ろす。なんだか王になった気分です。君が僕を見上げる姿はとても絶景で美しい。もっと僕を楽しませてください。喘がせてください。気持ちよくさせてよがらせてください。まだ足りません。僕は満足できません。何に満足できないのか分からない。何かを君に肯定して欲しいのかもしれません。
 君を見ていると言い様のない気持ちになって泣きたくなってしまいます。この切なくなる衝動を忘れさせてください。僕の腰に触れていた手は僕の頬に緩慢な動作で触れてくる。熱い事をしている最中なのに、その妖しい触れ方にぶるりと鳥肌がたつ。君はその手腕をどこで覚えたのです。未知の領域な癖に・・跳ね馬、でしょうか?クフフ・・・生徒に手を出すとはお笑いぐさだ。
そんな事を考えていれば、僕の首に回してくる手。これは絞められてしまうのでしょうか。少しだけ静かな時間が僕達の中に流れる。互いに見つめあう時間が流れ、それを打ち消すかの様に強引に自分の口に引き寄せてくる。その動きに僕の中に収まっている君のモノがずれる感覚。君の顔も少し歪んで、僕は言いようのない快感に、小さな悲鳴が思わず出てしまう。涎も口の端からでて、だらしのない姿。喉笛を噛みきる様に喰らい付いてきた君のせいで僕の首から鮮やかな赤が溢れてくる。痛い。熱くて痛い。君は口紅をつけた様な真っ赤な唇で綺麗に笑う。本気で噛み殺す気でしたね。びりびりとした緊張感、その姿に僕はうっとりと身震いすると同時に白濁を吐き出した。
 君はそうでないと面白くありません。僕にもっと性欲だけではなく純粋な殺意をももっと向けてください。沢田綱吉みたいに優しすぎて慈悲深い人間にはならないでください。そんなのは幻滅です。殺しがいのない人間に抱かれてやる程、僕は安くありません。

「君、どこ見てるの?」
「あっ・・・ん!」

 僕のモノに力を加えて我に返させられる。君の真っ赤に濡れている唇で微笑む姿は、とても艶やか。自分のモノをくわえさせて泣かせてやりたいと今更ながらの後悔。だけど、ダメです。君のソレは僕だけのもの。僕の穴だけをくわえさせていればいい。クフフ、でも僕は君以外をくわえますけどね。君に文句を言う権利なんてありません。僕に勝てないのですから、止められません。だけどまだ君に病み付きです。だからまだ、他者との戯れは程々にしてあげます。クフフ・・・真っ赤な唇。僕の血。それを美味しそうに目を細めて舐めとると君はまた、艶やかに笑う。

「クフ・・身震いしてしまったじゃないですかぁ」
「君は淫乱で変態だね」

 クフ・・君に言われたくない、です。弱い君には、僕に負けた君には興味はないのです。ぐちゅぐちゅと精液の音が聞こえて僕の頭の中はぐちゃぐちゃ。

「僕の、はぁ・・中は、君で、どろどろ・・」

 あぁ、またひとつ病み付き。ベッドの軋む音も、ぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてる僕達の精液も、互いの汗のにおいもひとつになる様に溶けあって混じりあう。このまま・・
 血の匂いが甘美で生臭さがまた、新たな興奮へと誘う。僕は刹那主義。一瞬しか味わえない快楽に溺れる事に何かを見い出したいのです。他人が壊れる様を見ると何とも言えない興奮が僕の中に生まれます。あんなに啓蒙する程に信じ愛したものに裏切られ、信念も全て脆くも打ち砕かれ、絶望に醜く歪む表情は美しい。君のプライドをズタズタに引き裂いた時も、僕はとても気分が良かった。でも、君の獰猛な肉食獣をも思わせる瞳の輝きは消えない。なのに、君は負けてしまった。同時に僕の中で何かが芽生えてしまった。それが苦痛で不愉快で仕方がないのです。どうかこのまま互いに気づかないように。
 僕も君も精液まみれ。血も唾液も汗さえも今はひとつ。乱れた息もひとつ。この熱に浮かされてしまえば、僕も君もまた乱れます。熱い・・この死んだ様な冷たい身体に君の熱が注入されて、僕は初めて人になって動けるのです。全細胞が血肉が君を心から欲しいと訴え煩いです。

「なのに・・」

 君は弱い。僕より弱い。僕は下になりたくありません。だって君は弱いから。だから、今は僕が上に跨って呑み込んで動いてあげます。

「君は淫乱」
「君はいやらしい」

 あぁ、そんな情熱的な目でまた僕を射抜く。そんな目をされたら僕は君の弱ささえも受け入れて口付けしたくなるじゃないですか。ふと窓から見る雲ひとつない大空。

「はっ、雲雀・・」

 余裕のない僕は君の名前を名字でしか呼べなくて・・・君は気にする事もなく無表情に僕の目を見る。 だけど、微かに眉を顰めて何かを耐えている顔。限界の様ですね。雲雀恭弥の痕跡器官を口の中に含み舌で転がしたり舐めたり甘噛みしたりすれば、ぶるりと震え僕の中に溜りに溜まった欲を吐き出し、僕も思わず喘いでしまう。まるで君ではなく、僕が犯している様だと思うとおかしくなり思わずクフフと笑ってしまう。それが気に食わなかったのか、眉を顰めて不機嫌そうにこっちを睨みつけてくる。

「何だい?」
「・・空が」

 息を整えてゆっくりと開いた窓を見る。僕は自分の中に収まっているモノを思い切り引き抜くと、ドロリ、と精液も一緒に流れていく。互いの混じりあったものは行き場をなくして、大腿部を伝って妖しく光っている。あぁ、そんなものほしそうな顔をして、僕もあなたも救い様がないですねぇ。大腿部を流れている精液を指で掬い上げると僕は微笑みながら、口を含めてごくり、と喉を鳴らして飲み込んだ。僕はまた窓から見える雲ひとつない大空を見上げるとなんだか美しすぎて、何だかとても泣きたくなってしまう・・。
 大空は優しくて、残酷。無償の愛を与えてくる君は毒。どうして罪深い僕を心配するのですか・・優しさなんて欲しくないのです。愛されても答えられません。もっと傷みが欲しいのです。チョコの様な甘さはいりません。

「大空にみられちゃいましたね」

 こんな霰もない乱れた僕達。僕の呟きに君は興味なさそうに大空を一瞥して、僕の血を舐める。その動きがまた淫ら。

「ワオ。君に恥じらいなんてあったのかい?」

 失礼な発言。ですが、それはとても正しい。見られた方が興奮します。熱を更に発して、この身体は生きていると訴えてくる。それが今は幸せ。君は僕より弱いのに君は僕をよく知っています。それが心地いいのです。君の身体も与えてくる熱も傷みも全てが。優しすぎて。
 でも知らないのです。この胸を締め付けて泣きたくなるような、なんとも言えない苦しみと、喜びがなんなのかなんて。
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