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□サイダーと帽子
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「…そっか。やっぱり」

「悪ィな。いろいろ相談聞いてもらったりしてたのによ」

宍戸はまたペットボトルに口をつけた。ひとくち飲むたびに顔をしかめている。
こうしている間にも、彼の目に溜まっていく、涙。

見ていられない。

私は机に膝立ちになって、宍戸の頭を胸に押し付けた。

「っオイ」

「あーもう面倒くさい。あたしの胸でいくらでも泣けコノヤロー」

ポンポンと頭をなでてやると、宍戸は嗚咽を漏らしはじめた。
その声を聞いていると、胸の奥がぎゅっと痛くなった。

息が、苦しい。

「…っ」

なぜか涙がでてきた。
ぼろぼろと落ちるそれは、なかなか止まらない。

ああ、もう、ちくしょう。

なんでこんなヤツ、好きなんだよ。

泣いている宍戸の背中をさすってやりそして自分自身もぼろぼろ涙をこぼしながら、私は考えた。









――――――――――
宍戸初書き。
…えーと、誰でしょう。この激ダサいお兄さんは。
格好いい宍戸じゃなきゃイヤ!という方、すみません。弱い宍戸が書きたかったんです。
「帽子出てこねぇじゃん!」というツッコミもナシで。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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