basara

□だいすき
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「ななし殿!」

このところよく幸村が遊びにくる。

今日のお土産は、佐助の手作り団子だった。

「うん。本当に佐助のお団子は美味しいね」

「……うむ」

「どうしたの?
いつもなら私の分まで食べる勢いなのに…もしかして熱でもあるの?」

「い、いや。そのようなことはござらん。
大丈夫でござるよ」

「…そう?」

それでも心配だったので、幸村の額に手を当てる。

「な、ななし殿…!」

「…うーん。熱は無いみたいだね」

でもおかしい。
いつもなら破廉恥である!なんて言うのに今日は違う。

顔を赤らめて、口をぱくぱくさせて俯いている。

おかしい。
絶対になにかある。

食べたのか。
毒キノコか何かを。
幸村なら有り得ないこともない。

佐助がいないと何をするかわからないもん。

「…幸村、気分悪くない?」

「…胸が……」

「!…痛いの?」

「苦しいのだ。
…貴殿を見る度に、胸が締め付けられて……ぎゅうっとなるでござる」

「え?」

嗚呼、
それはまるで

だいすき

(恋ではないですか)

 

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