basara
□風邪っぴきばーすでー
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今日は年に1度の特別な日だ。
お母さんの作った美味しい夕食、可愛いケーキ、嬉しいプレゼント、お祝いの言葉―なのに私という奴は友達に風邪をうつされてしまった。
風邪っぴきばーすでー
起きたら息が出来なかった。もう死期かと覚悟したが、冷静になって考えてみるとどうやら鼻が詰まっているようだ。
体も鉛の様に重く、だるい。節々が悲鳴を上げている。
だが今日は私の誕生日である。本日の主役と言っても過言ではないこの特別な日に誰が学校を休もうか。
私は軋む体に鞭打ち布団から出、早速支度を始めた。
キーンコーン…
チャイムと同時に教室に駆け込めば、いつもの皆が声をかけてくれた。
「おっ、来たねぇななしちゃん!」
「おう。どうしたよななし、今日は遅かったじゃねぇか」
入口付近で談笑していた慶次と元親だ。
それに続いて他の子達も来てくれる。
「Good morning,honey.」
「ななしか…フン、遅かったな」
「おはよう…市、ずっと待ってたのよ」
政宗、三成、市ちゃんだ。
『うん、おはよう。少し寝坊しちゃってさ』
「どうしたhoney.鼻声だぜ?」
『あ…ちょっと寝起きだからね』
さすがに風邪引きましたとは言えず、咄嗟に嘘が出てしまった。
…まあ皆に迷惑かけたくないし良しとしよう。
「あ、それよりななしちゃん!今日は誕生日じゃなかったかい?これ俺からのプレゼント」
そう言って慶次が差し出したのはピンクを基本に装飾された可愛い袋。
開けてご覧、と言う慶次の言葉と共に袋に付けられたリボンを解く。
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