貰捧・記念小説

□ネリネ
1ページ/1ページ


飴唄様の琥珀様より
相互記念で貰いました







部屋は甘い香りに包まれていた。


「・・?」



まだ眠そうな目をこじ開けて、

腰や下半身の激痛に耐えて何とか立ち上がった。




彼との激しい情事を済ませた後だった。

ベットシーツは変えてあるし、体もきれいになっている。






こーゆうところには手を抜かない彼は優しい人だった。



しかし、いざ…となると僕が泣き出して目を

真っ赤にしてもなお、


激しく突いてくる。




なんてひどい人なんだ。
そう思った。



翌日にはそんな思い消えているけれど。



「ディーノ・・?」


いつもならベット際にいる彼がいないのは

・・心さびしかった





孤独を忘れていた僕には、

辛くて。




「ディーノ?・・・ディーノ!」



激痛のせいで歩くことさえままならない。

明日、
学校休もうかな・・。





そんな時、玄関のドアの開く音がした。






そこから来た匂いで、

異変に思った部屋のにおいはディーノの香水の匂いだと分かった。

ディーノには似合わない匂いだけど。
落ち着く。

そういうところは似合うのかな?




「お!恭弥起きたか!」



威勢よく帰ってきた彼が何をするつもりなんてわからない。


「・・おかえり
・・なに、してたの?」


僕が珍しく、彼に興味を持った。
そんな驚きな目も合わせて、


彼はにかっと笑った。


「買い物♪」

「なに、買いに・・?」




「それーは・・これだ!」


彼が手にしていたのは花だった。





「・・なんで?」

「これは・・『ネリネ』っていう花なんだけど」


甘い匂いはこの花に似合う気がする。


「綺麗だね」



赤やピンク、白もある。
光にあたるたびに光沢を奏でる『ネリネ』は可憐で美しかった。



いくつかの花が、一つの茎につながり、大きく開いているようだ。



「別名、ダイヤモンド・リリーっていうんだ」


「・・へぇ」




「でさ、俺・・しばらく仕事があるから…こっちに来る余裕ねーんだ」

「うん・・」






「だから、『また会う日を楽しみに』」


「あたりまえじゃない・・?」





照れながらも、また会える。と恭弥は想っている。


それがうれしい。





おれがもしも死んだらなんて考えない。





「じゃーなー」
「うん、仕事…がんばって」

「おう!」






恭弥の額に口づけをし、イタリア行きの飛行機に向かった。


「さて、意味がわかるかな・・」




それは・・呟きにも満たされないほどの小さい声だった。













ディーノが帰った後、僕は暫く使っていなかったパソコンを開いた。


ほこりかぶっていて、なんだか開けるのが嫌だったけれど。

きになった。


彼がこの花を買ってきた理由が。




検索した文字は、『ネリネ』






「花言葉…「また会う日を楽しみに」・・か」





そういうことか。





…嬉しかったなんて、絶対に言いたくない。


でも、楽しみにしてるよ?


またなんて無い…なんて、思わない。




ディーノ。
貴方を信じてる。
















あとがき


飴唄様の管理人琥珀様、相互記念ありがとうございます!
すごく素敵な小説です♪
いつか私もこんな素敵な小説書いてみたいです…

やっぱりディノヒバっていいですよね!
今骸雲よりディノヒバにはまりぎみです。



本当にありがとうございました!!!


最後までお読みいただきありがとうございました!






20090902

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ